東京医科歯科大と日立システムズは、東京医科歯科大学病院のがん患者の電子カルテデータの連携・利活用に関する共同研究を行ったと発表した。
具体的には、AWSを利用した医薬・ヘルスケアプラットフォーム上で、がん患者の電子カルテデータを医療情報の交換・共有の標準規格であるHL7 FHIR形式に変換し、分析、保管、利活用することの有用性について検証した。その結果、医療情報を統合的に解析し、診療に役立つ情報が得られることを確認できたという。
分析した結果については、治療計画の作成など実際の診療に役立つよう、異なる治療法や薬剤の違い、リンパ節転移の有無など、複数の条件によってその後の生存期間がどのように変わったかなどをグラフ形式で表示。これにより、病院内で統合した治療情報の確認がタイムリーにできるようになったとのこと。
なお、今回の研究にあたっては、日立システムズが提供する「医療情報ガイドライン 準拠アセスメント・構築支援サービス」を活用し、HL7 FHIR形式に変換する際に必要となるコード体系やフォーマット変換をデータパイプライン処理により、自動化したことでデータ生成の期間や工数を短縮できたという。
今後、病院内だけでなく、他医療機関で保有している医療情報についても連携させることで、治療計画などへのさらなる活用が期待されている。東京医科歯科大学と日立システムズは、今回の共同研究の結果をもとにさらなるデータの利活用を推進するとしている。
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