大日本印刷(以下、DNP)は、工場の製造DX化を支援する「DNP飲料工場支援サービス」を開発した。
同サービスは、飲料・食品を中心とした様々な業界における課題の解決を目指すスマートファクトリーの支援に向けて開発を推進。その第1弾として、工場における生産ラインのデータをクラウドで管理・解析できる「情報集計・分析ツール」を、飲料メーカー2社の国内工場にサブスクリプション方式(月額定額制)で提供し、運用を開始する。
情報集計・分析ツールでは、工場の製造設備に関するデータをクラウド環境で取得し、生産状況や課題を可視化する。製造設備の制御装置であるPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)や、製造ラインに取り付けたセンサーなどからのデータ取得が可能で、DNPが提供する設備以外でも利用できるとのこと。工場全体や工程ごとのデータ把握など、製造現場の課題に合わせて同サービスを活用できるという。
また、取得したデータに対し、データの正確性を高めるクレンジング処理を行った上で集計・解析し、レポートとして提供。利用者は、作業の進捗状況やラインで発生したトラブルの集計など、約40種類のレポート画面をWebブラウザで確認できるという。工場の情報・課題管理を行える環境を構築することで、工程ごとの属人的な業務体制を解消し、工場の省人化や品質向上、生産性向上、教育の質の向上(技術伝承)などに貢献するとしている。
DNPは今後、DNP飲料工場支援サービスの機能として、センシングモジュール、オペレーションサポートツール、自動化装置、メンテナンスサポートツール、教育・技術伝承ツール、コンサルサービスの提供など、メニューを拡張していくという。
また、PETボトルに限らず、多様な飲料工場に同サービスの導入を進め、将来的には食品・医薬品・非食品分野など幅広い業界の工場に提供していく予定とのこと。同サービス全体で2030年までに50ラインの導入を目指すとしている。
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