
2019年4月10日にニューヨーク証券取引所(NYSE)へと上場を果たしたPagerDutyは、日本法人を設立するなど、グローバルでの事業拡大を着実に続けている。その状況下、同社を率いるCEOのジェニファー・テハダ氏が来日した。同氏は、エスティ ローダーなどのボードメンバーを務めるなど、グローバルリーダーとしても活躍の幅を広げている人物だ。
ジェニファー・テハダ氏が来日、生成AIにも意欲
2023年7月26日にPagerDutyは、東京ミッドタウン日比谷で「PagerDuty SUMMIT」を開催した。「ビジネスを止めないインシデント対応~AIの力で実現するオペレーショナル・レジリエンス~」と題したこのイベントには、同社の本国幹部やユーザー企業などによる登壇はもちろん、ネットワーキングも行われるなど、インシデント対応におけるベストプラクティスの在り方について意見交換がなされた。
同イベントにあわせ、PagerDuty CEOのジェニファー・テハダ氏も来日しており、登壇準備の合間を縫ってインタビューに応じてくれた。昨年度の業績について訊ねると「プロダクトの拡張にともない、大きく成長することができた」と同氏は切り出す。

Operations Cloudと同社が呼んでいるプロダクト群において、対応チームメンバーのコミュニケーションを円滑化する「Customer Service Ops」、不要な通知によるアラートノイズを低減できる「AI Ops」などの機能強化により、“オペレーションの近代化”を支援できる体制になったという。これに加えて、日本法人の設立をはじめとしたグローバル各国市場での事業成長にも注力。既に400社以上の顧客を抱える日本市場は重要視しており、業績拡大に向けた地盤が整っているとテハダ氏は語る。
一方で世界経済がリセッションの局面にある中では、販売サイクルの長期化など顧客の行動変容も確認できており、景気回復までは同様の傾向が続くだろうとテハダ氏。とはいえ、日本市場では楽観視する見方もでてきており、AIなどを活用した生産性向上への期待が高まりつつある中、PagerDutyでもオペレーションの近代化によりニーズに応えられていると強調する。また、エスティ ローダーのボードメンバーを務めている観点から、同社でも継続的な投資を続けているとして「短期的な経済不況がどうであれ、顧客や消費者との長期的な関係性を考えた投資を行うべき」とも話す。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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