新中期経営計画の3本柱の一角を担う「IT機能の最適化」
2017年4月、日本各地で事業を行っていた12のコカ・コーラボトラー社が統合しコカ・コーラ ボトラーズジャパンが誕生した。「コカ・コーラ」をはじめ「ファンタ」「綾鷹」「アクエリアス」「ジョージア」「コスタコーヒー」「い・ろ・は・す」「檸檬堂」など国内で様々な清涼飲料水やアルコール飲料の製造、加工および販売を行っている。同社は日本におけるコカ・コーラシステムの約9割の販売量を担い、世界約225社のボトリングパートナーの中でも、売上高はアジア最大級、世界でも有数の規模だ。
同社のコーポレートミッションは、「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します」。このミッションを遂行するために、2023年8月に中期経営計画「Vision 2028」を発表した。この戦略的事業計画達成のための主要な柱は「営業エクセレンス」「サプライチェーンの最適化」「バックオフィスとITの最適化」の3つ。そしてこれらには「新しいテクノロジーの活用が欠かせません」と言うのは、コカ・コーラ ボトラーズジャパン ビジネスシステム統括部長のHarsh Kachhwaha(ハラッシュ カチュワハ)氏だ。
営業エクセレンスでは、既存データを活用して収益拡大に取り組む。「70万台の自動販売機から得られる膨大なデータを分析し、AIを活用して効果的なオペレーションと販売を実現します」とKachhwaha氏。またサプライチェーンの最適化では、プロセスの統合とシステム化を続け、ここでもデータを活用しタイムリーなビジネス上の意思決定を支援するとも言う。
このような取り組みを積極的に進める中で「社員1人ひとりが自らDXに取り組める最初の一歩になり得るものがRPAになります」とKachhwaha氏は言う。コカ・コーラボトラーズジャパンでは、2019年からRPAツールの「Automation Anywhere」を採用し、業務プロセスの標準化、自動化に取り組んでいる。