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変わらない小売・流通業界に“データ”でメスを入れる今村商事 地場産業のDXに活路を見出す

変革の鍵となるデータ基盤に「Snowflake」──小規模企業だからこそフィットする理由とは

 今村商事はデジタル技術を駆使し、小売・流通業界の様々な企業に対するDX支援を手掛けている。九州地方において小売業者と卸売業者、メーカーが連携して食品ロス削減やDX推進のための実証実験を実施。この実証実験のデータ基盤としてSnowflakeを採用し、その結果、一定の成果を得たことからSnowflake主催の「DATA DRIVERS AWARDS 2023」の「Data for Good」賞を受賞した。同社の代表取締役社長 今村修一郎氏に、業界の課題とデータ活用の取り組み事例、そして将来展望を訊いた。

小売・流通業界における「DX課題」に挑む

 今村商事は1983年に化粧品の輸入販売業として創業。2021年には、元P&Gジャパンのデータサイエンス部門ディレクター 今村修一郎氏が代表取締役に就任している。その後、小売・流通業界のデジタル化に特化したコンサルティング事業を新たに展開すると、「小さなデジタル」をキーワードに業界全体のデジタル活用を牽引。今注目を集めている企業だ。

 今村氏は、当時最年少でマイクロソフト認定システムエンジニア資格(MCSE)を取得するなど、高校時代からエンジニアとして活躍。大学卒業後に入社したP&Gジャパンではビッグデータ分析に従事する。2017年には、リテールAI研究会にテクノロジーアドバイザーとして参画するなど、IT技術を活用した小売・流通業界の改革に努力を注いできた。

 日本の小売・流通業界に属する企業数は極めて多く、そこを支える業界構造がDXの妨げになっているとして「日本には食品メーカーが3万5000社、化粧品メーカーが7000社存在しています。そして、これらの企業が毎日のように新製品を開発・発表して市場に送り出しているのです。一方、アメリカに目を向けると、ほとんどの市場がトップ5社によって占められている。あまりにも多くの企業が存在するが故に、各企業が単独でDXを進めるには限界が生じています。本来ならば業界全体で協力する必要がありますが、まだ実現できていません」と指摘する。

 この課題の核心は、「製・配・販」(製:メーカー、配:中間流通・卸売、販:小売)という概念にある。メーカー、卸売、小売が互いに連携・協力することなく、各層での最適化が進んでしまい、商品登録も各社が手作業で行うなど非効率な状況を生み出したからだ。

小規模事業者の「データ分析」が解決の鍵に

 今村商事は、主に地方の小規模な小売業やメーカーを積極的に支援している。その理由について今村氏は、「P&G時代には大手企業を対象にすることが多かったですが、現在は小規模ながらも意欲的に事業展開を望む企業をサポートしています。P&G時代にできなかったことを実現したいという想い、何よりも業界全体をデータドリブンに導きたいと考えているからです」と話す。

今村商事 代表取締役社長 今村修一郎氏
今村商事 代表取締役社長 今村修一郎氏

 とはいえ、前述したように業界内の企業数は数多ある。大手企業がDXを進められたとしても小規模企業がそれに追随できない限り、業界全体のDXは困難だ。今村氏によれば、小規模企業の方が課題意識や危機感が強いという。特に地元密着型のスーパーなどでは、店舗の拡大が困難であり、労働力も減少しているため「データ活用」など新たな打ち手を求めている。こうした状況において、スモールスタートできるクラウドサービスのメリットは大きい。

 今村商事は2020年からSnowflakeを導入すると、顧客企業のデータ基盤として提供している。特に注目すべきは、佐賀県にある“まいづる百貨店”が運営するスーパーマーケット「まいづる」で行った、食品ロス削減を目指したダイナミックプライシングの実証実験だ[1]。同実験では、各商品について賞味・消費期限別に在庫管理をしながら、ダイナミックプライシングを用いて売り切りを目指し、店舗だけでなく卸売事業者やシステムインテグレーターとも連携した。

 自らデータ基盤を構築するにはコストはもちろん、ある程度の専門知識も求められる。これは小規模事業者にとって大きな障壁となるだろう。事業規模が小さいからこそ初期の大きな投資が事業継続性を脅かす可能性があるため、なるべくコストを低く抑えながら進めることが肝要である。そこで今村商事が目をつけたのがSnowflake。データ基盤を迅速に構築できるだけでなく関係各社とのデータの共有を容易にすることから、小規模企業の利用においても事業の成功と持続性が期待できるからだ。「事業規模が小さい企業ほどSnowflakeは圧倒的に使いやすい。コストを抑えて始められるため事業の成功だけでなく、継続しての活用も期待できる」と今村氏は強調する。

業界発展の成否握る「データの流通」

 前述したような活動が実を結び、今村商事は「DATA DRIVERS AWARDS 2023」において「Data for Good」というアワードを受賞した。今村氏は、「サステナビリティやソーシャルグッドに係わるプロジェクトにはコストをかけられないことが多く、その点でSnowflakeの力を発揮できたと思っています。実証実験によって食品ロスに加え、地域企業のDXを推進できる手ごたえを感じており、これを全国にひたすらに広げていきたいですね」と述べて、Snowflakeがスモールビジネス向けのパッケージやイベント、マーケティングを展開していけば、業界全体が変革できるのではないかと可能性を示唆する。

 依然として多くの課題を抱える小売・流通業界だが、将来的な発展の成否を握っているのは「データシェアリング」だと今村氏。現在、データを持つ企業とデータを計算する主体が分離されている状態だ。今後は小売業に眠るPOSデータなど販売データを卸売業者やメーカーが活用・分析することによって需要予測を行うなど、企業や業種の垣根を越えたデータシェアリングによる効率化が求められる。このときデータ分析を行うためには分析基盤の費用が発生してしまうが、「これまでのデータシェアリングにおいては、小売側でデータ分析にかかった費用を卸売やメーカーから回収する手段を考えなければいけませんでした。しかし、Snowflakeならデータを置いておくだけで外部の事業者が独自にコンピューティングリソースを用意して分析すれば済んでしまう。小売・流通業界にSnowflakeはとてもフィットしていますね」と語る。

 最後に今村氏は、製・配・販とわかれた業界構造のなかでも「配」を司る卸売事業者の進化に注目していると言及。モノの流れだけでなく、情報の流れやデータの管理も卸業者が掌握・共有することで、小売やメーカーも需要や市場動向を把握しやすくなる。卸業者の進化が業界全体を一段上に引き上げる可能性があると展望を見据えた。

200名以上が受講! 今村商事による“AI”を活用した「DDXプログラム」

今村商事では、最新のAIテクノロジーを活用した「DDXプログラム」サービスにより、ID-POS分析を学ぶ研修を提供しています。このプログラムは、消費財流通の企業および消費財流通向けのサービスを開発する企業を対象としています。流通における課題解決から需要創造までをカバーし、データ駆動型のアプローチにより数字を変革する研修事業です。これまでに200名以上の受講生が参加し、売り場の数字改善や新しいソリューションの開発に成功しています。ご興味のある方は、以下の窓口までお気軽にご連絡ください。
Eメール:takuto@imamura-corp.jp
窓口:今村商事 林

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提供:Snowflake Inc.

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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