富士通とTOPPANホールディングスは、次世代医療基盤法における医療ビッグデータを活用した研究開発の推進や、新たな産業・事業の創出による健康長寿社会の実現を目指して、医療ビッグデータ事業を共同で推進するための業務提携契約を締結した。
同提携により、データ分析に活用する匿名加工された電子カルテのデータ項目や量を増やし、両社における医療データの活用ノウハウとデータプラットフォームを連携。高度な分析の実現と製薬企業や医療機関向けの分析サービスの提供を目指すという。提携内容は以下のとおり。
データ分析サービスの開発・提供
TOPPANホールディングスは、J-MIMOによって匿名加工された電子カルテデータを、医療情報分析・提供サービス「DATuM IDEA」に導入。その際、富士通のデータクレンジングプラットフォームを経由することで、病院ごとに異なるデータ形式の診療データを構造化する。医薬品の安全性、有効性評価を加速し、医薬品開発やデータベースを用いた個別化医療の実現に貢献することを目指すとしている。
富士通は、匿名加工された電子カルテデータを活用した製薬企業、医療機関向けのSaaS型分析サービスの開発を進めるとのこと。医薬品開発プロセスの効率化、医療の質向上への寄与を目指して、診療データ可視化やアドホック分析などのサービス開発のほか、予測や予兆などの医療AIモデルにおける研究開発での活用も推進するという。
データ分析における電子カルテデータの増加
両社は、医療機関およびJ-MIMOと連携し、電子カルテに格納される医療情報に加えて、退院時のサマリー、看護記録、手術記録など、これまで利活用されていなかったデータ項目を収集し、分析に活用する項目および電子カルテデータの量を増やす。患者の状態を把握することで、患者一人ひとりにおける個別化医療の実現に貢献するとしている。
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