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【緊急寄稿】全銀システム障害に日本全体が向き合うべき理由──“切り戻しできなかった”背景にあるもの


 10月10日に発生した全銀ネットの障害は、企業や個人に多大な影響をもたらしました。ですがこの再発防止を検討する際、原因と対処を全銀ネットだけに求めていては根本的な解決になりません。筆者としては、業界および監督官庁まで巻き込んだ、強固な仕組みづくりが必要だと考えます。そこで本記事では、全銀ネットにその責を求めるのではなく、むしろ社会全体でこの問題にどう向き合うべきか、提言してみたいと思います。

その日の振込が、“その日のうちに”できなかったことの意味

 10月10日に発生した全銀ネットのシステム障害については、既にニュース等でご存じの方の多いかと思います。全銀ネットは10月7~9日までの連休を利用して、同組織と各銀行を結ぶネットワークシステムの更改を行いました。

図:全銀ネットHPより引用【画像クリックで拡大】
図:全銀ネットHPより引用【画像クリックで拡大】

 しかし新システムに不具合が発生し、その後10月10~11日にわたり、三菱UFJ銀行をはじめとする10の銀行から他行への振り込みができなくなりました。原因については依然調査中の部分もあるものの、銀行との通信を中継するリレーコンピュータにおいて、振り込み手数料の適正性をチェックするプログラムに問題があり、データベースの一部が破損したとのことです。

図:全銀ネットHPより引用【画像クリックで拡大】
図:全銀ネットHPより引用【画像クリックで拡大】

 コンピュータシステムに不具合はつきものであり、何年かに一度は日本中の銀行システムのどこかでこうしたことが発生してしまうのも、ある意味仕方のないことではあります。ですが今回、何よりもまずかったのは、この障害の復旧に手間取り、その日の振り込みをその日のうちに処理しきれなかったことでしょう。

 企業や個人の間で成される振り込みは多くの場合、その期限を日ベースで決められており、それが何時に行われるかは社会生活上あまり関係がありません。システムに不具合があっても、とにかくその日のうちに振り込みが可能になれば、支払い遅延や手形の不渡りと言ったことは起きないはずです。その意味では、今回のように“その日の振り込み”を“”その日の内に処理できない”という事態は、実際のところ大変大きな社会的影響を発生させてしまったのではないかと思います。

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「切り戻し」を行わなかった判断は油断から?

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この記事の著者

細川義洋(ホソカワヨシヒロ)

ITプロセスコンサルタント東京地方裁判所 民事調停委員 IT専門委員1964年神奈川県横浜市生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。大学を卒業後、日本電気ソフトウェア㈱ (現 NECソリューションイノベータ㈱)にて金融業向け情報システム及びネットワークシステムの開発・運用に従事した後、2005年より20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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