NTTコムウェアと日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、データセンター運用における環境負荷低減を目的として、ICT機器ごとの消費電力とCO2可視化の実証を2023年9月~11月に実施した結果、排出熱の温度から消費電力をAIで推定し、CO2排出量の算出などが可能であることを確認した。
同実証の結果をもとに両社は、AIを活用したデータセンター運用を高度化する新たなソリューションの共創、データセンター事業者への提案および提供について共創していくことに合意したという。
今回の実証実験では、非接触の温度センサーを用いて電力消費と強い相関を持つICT機器の排出熱を測定し、独自のAIモデルで解析することで、電力消費量の推定とCO2排出量の算出を可能にしたという。データセンター運営事業者はこの技術を活用することで、利用者環境にログイン調査なしで、利用者単位、サーバ単位でのCO2排出量や機器異常の監視と管理ができるとしている。
今回両社が共同で開発するソリューションは、「IBM Maximo Application Suite」によるICT機器構成管理のデータを活用し、排熱やCPU使用率から消費電力とCO2を推定するAIを搭載した「Smart Data Fusion」でデータを集約/算出。日本IBMの「4DVIZ」ダッシュボードで、こうしたICT機器の状況をデジタルツインとして可視化するとのことだ。また収集したデータからICT機器などに異常がみられた場合は、IBM Maximo Application Suiteで現場作業員の対応開始から完了までの作業と履歴管理を行うとしている。
両社は今後、CO2排出量削減の加速とともにNTTグループが国内外のパートナーとともに推進する「IOWN」の活用も視野に入れ、データセンターの運用高度化、GXにむけて連携していく予定だという。
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