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AIは設計をどう変えるのか? ダッソー・システムズは「変革」を示唆、米ダラスで25回目のイベント開催

ダッソー・システムズ「3DEXPERIENCE WORLD 2024」現地レポート


 AIがあらゆるものに影響を与えている。ものづくりので欠かせない「設計」も例外ではない。三次元CAD「SOLIDWORKS」を持つダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)は、米国ダラスで年次イベント「3DEXPERIENCE World 2024」を開催。AIとクラウドにより、設計の現場が大きく変わることを示してみせた。

「設計にマジックを」設計方法を再構築する

 「3DEXPERIENCE World 2024」は2月11日〜14日、米テキサス州ダラスで開催された。

今年の3DEXPERIENCE WORLDは25回目、米テキサス・ダラスで開催された

 同イベントの中心となるのは、ダッソー・システムズが1997年に買収した3D CADのSOLIDWORKSで、2019年まで「SOLIDWORKS World」というイベント名で開催されていた。ダッソーは他にもシミュレーション「DELMIA」など12の製品を持ち、共通のクラウドベースのプラットフォーム「3DEXPERIENCE(3DX)」を軸とした製品戦略をとる。これを利用して、設計から製造プロセス、オペレーションを含むサプライチェーン全体を連動できるという。SOLIDWORKSでは、3DEXPERIENCEと結びつけて設計から製造、マーケティング、管理、解析に拡張していくためのプラットフォーム「3DEXPERIENCE Works」をプッシュしている。

「3DEXPERIENCE Works」プラットフォームを重要な差別化戦略とする

 「控えめに見ても飛行機が10機あれば10機、10台の自動車があれば8台がダッソーのソフトウェアを利用して設計されている」というのは、SOLIDWORKS CEOを務めるManish Kumar氏。同社は製造における大きなシェアと存在感を持つ。

 また、2023年まで28年間、CEOとしてダッソー・システムズを率いてきたBernard Charlès氏(現Executive Chairman)は約5,000人の来場者を前に、設計の世界に再び“変化”が押し寄せていると語る。

 設計の分野はこれまで2Dから3Dへ、オンプレミスからクラウドへと変化を遂げてきた。そして、変化の中心に今あるのは“AI”だ。「設計のやり方を再構築するときがきた」とCharlès氏。AIが切り開く“新たな設計の在り方”を「Magic SOLIDWORKS」として展望した。AIを組み込むことで魔法(Magic)のように、簡単にSOLIDWORKSを使った設計ができるという意味だ。

 たとえば、電気自転車の設計であれば「リサイクル素材で作られたハンドルバーの案を出して」とチャットで問いかけるだけで複数の案を提案してくれる。そこからシミュレーションも自動化で行えるようになるという。また、手書きスケッチから“製造可能な”ハンドルバーのモデルを複数生成したり、軽量化するための案を出したりなども可能だとCharlès氏は説明する。設計者はそこから選択すれば良い。

 これらが実現できるのは、モデリングとシミュレーションが3DEXPERIENCEプラットフォーム上にあり、そこにAIを組み込んだからだ。なお、Charlès氏は約10年前からAIに取り組んでおり、既にAIエンジンは第3世代に至っていると話す。

AIと対話しながら設計を行う様子を見せた。デモはテキストベースだが、音声でも利用可能になる予定だ

 Charlès氏は、設計に重要な影響を与える技術として「バーチャルユニバース」も提示。仮想と現実を融合させた、バーチャルツインのような環境だ。会場ではユーザーが自室を映すと、家具を選んだり生活空間をデザインしたりする様子を見せた。

 「将来的にはモデリングやシミュレーション、AIを統合することで『バーチャルユニバース』上にバーチャルツインを構築し、ユーザーや設計者が過去に構築した財産(=データ)を活用できるようになる」(Charlès氏)。

 特に強調するのは知的財産(IP)の保護だ。「最高レベルのサイバーセキュリティ対策を施している。データは顧客のものであり、同意なしにデータを共有することはない」とCharlès氏は約束した。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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https://enterprisezine.jp/article/detail/19233 2024/02/27 12:13

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