2023年4月9日、LegalOn Technologiesは新プロダクト発表会を開催した。
同社は累計約179億円の資金調達を行い、2023年4月にはグローバルでのプロダクト提供も開始しているとして「グローバルにおいて、リーガルテック領域でのナンバーワンとなる企業を目指す」とLegalOn Technologies 代表取締役執行役員・CEO/弁護士 角田望氏は説明を始めた。
米国に次いで英国での事業展開を進めつつ、戦略的パートナーシップの拡充に注力するとして、2024年2月にはLegalscape社と資本業務提携を実施。加えて、森・濱田松本法律事務所と業務提携を行うことを公表した。同事務所パートナー弁護士の飯田耕一郎氏は「法律業界全般でテクノロジー活用が遅れている中、当事務所ではテクノロジーを活用することで情報収集・探索において競争力向上に努めてきた。生成AIが普及してきている状況下、最先端テクノロジーをキャッチアップすることで競争力を失わないためにも業務提携に至った」と説明。まずは、専門的な契約書の“ひな型化”を進めていき、両者で協力してプロダクトやサービスを作っていくとする。
また、2022年冬頃から新たなプロダクト開発に取り組んできたとして、「LegalOn Cloud」を4月15日から提供することを発表した。同製品では、法務・契約業務における全領域をカバーできるとして下図を提示。まずは案件管理や契約書作成などの法務相談領域からリリースし、次いでリサーチ領域や電子契約領域での機能提供が予定されているという。同領域では、森・濱田松本法律事務所やLegalscape社と連携した形で開発が進められ、グローバル言語対応も行うとのことだ。
同社 執行役員・CPO(Chief Product Officer)谷口昌仁氏は、「社内ナレッジや社外ドキュメントなどを含め、AIを用いて情報の整理・紐づけを行う。この『リーガルドキュメントグラフ』により、関連情報などを容易に見つけられる。さらにユーザーの状況に基づいて必要な情報をリコメンドしてくれ、使うほどにLegalOn Cloudが優秀なアシスタントして成長していく」と自信を見せる。
たとえば、法務部と事業部のやり取りをLegalOn Cloud上で行うことにより、タイムラインでの会話をAIが自動要約したり、類似案件をサジェストしたりするという。また、契約書を開いた段階でリスクチェックを行い、対応例や弁護士が監修したサンプル文章を提案。AIが原文に基づいた修正例も提示してくれるため、それを利用することも可能だとする。さらに契約書をバージョン管理するため、変更履歴などを振り返ることも容易だとした。
なお、LegalOn Cloudは既に200社以上の導入が決定しているという。将来的にはLegalforce、Legalforceキャビネの機能をLegalOn Cloudに追加するとしており、移行サービスの提供も予定している。来年度以降にはAPIを公開することで、LealOn Cloudをプラットフォームとしたエコシステム拡充も見据えているとした。