デル・テクノロジーズは、大成建設が、データ利活用の根幹を担う全社統合ファイルサーバーを「Dell PowerScale」(以下、PowerScale)ネットワーク アタッチド ストレージ(NAS)で刷新したことを発表した。
大成建設は、各種業務データを全社統合ファイルサーバーに格納していたが、画像や動画といったリッチコンテンツの増加で、空き容量が次第に逼迫しつつあり、ランサムウェアなどの攻撃に対抗するためのサイバーレジリエンス強化が必要だったという。加えて、建設業界では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用となり、これまで以上に業務効率化や生産性向上の取り組みが重要となることなども背景に、全社統合ファイルサーバーを刷新するプロジェクトが始動した。
同社は以前から、PowerScaleの前身である「Dell EMC Isilon」(以下、Isilon)を活用していて、新機種へのマイグレーションも容易にできることなどから、今回の刷新においてPowerScaleを採用。また、PowerScaleのスナップショットを取得する「SnapshotIQ」機能によって誤消去したデータの即時復旧や、専用管理ツールの「InsightIQ」でストレージの状況が確認できる点も評価したという。
新全社統合ファイルサーバーには、SSDとHDDを組み合わせたPowerScaleのハイブリッド モデルを採用し、2023年5月より本番稼働を開始。また、災害対策サイトにアーカイブモデルのPowerScaleを配置するとともに、PowerScaleのデータ保護ソリューション「SynqIQ」による遠隔レプリケーションを行うことで、事業継続性の確保も行っている。
今回の刷新による主な効果としては、以下の4つのポイントが挙げられるという。
- 全社統合ファイルサーバーの記憶容量を従来の2倍に増強
- 圧縮・重複排除機能によりデータ容量を約1/3削減
- ストレージを設置するラックスペースを従来の約1/2に縮小
- AIを活用し、ランサムウェアをはじめとしたサイバー攻撃への対策を強化
大成建設 社長室 情報企画部 プラットフォーム計画室 次長の国見肇氏は「『PowerScale』を導入したことで、これまでよりも大量のデータを保存できる全社統合ファイルサーバー環境が実現しました。ユーザーが、より快適にデータを活用できるようになっただけでなく、サイバーレジリエンスの強化が図れたことも大きな成果です。今後は建設業においても、業務効率化や生産性向上が重要なテーマとなってきます。社内ITインフラの企画・運用を担う当部門としても、今回の『PowerScale』をはじめとしたデジタル環境整備を通して、全社のDXに寄与できればと考えています」とコメント。
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