2024年7月23日、TDCソフトは事業戦略説明会を開催した。
TDCソフトは創業62年を迎える独立系SIer、2002年に東証第1部(2022年4月からプライム市場)に上場している。同社は、2022年4月に中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」を策定しており、2023年度の売り上げ目標400億円をほぼ1年前倒しで達成。2025年3月期の業績目標を上方修正しているという。
2023年度の売上高実績は396億9805万円であり、金融機関向けの業務システム開発を担う「金融ITソリューション」、官公庁や物流などに向けた「公共法人ITソリューション」、サーバーやミドルウェアなどのインフラ構築を行う「プラットフォームソリューション」、自社製品などを用いたインテグレーションサービスを含む「ITコンサルティング&サービス」の4領域が事業の柱となっている。各領域とも堅調に伸長しているとして、TDCソフト 取締役執行役員 兼 経営企画本部長 大垣剛氏は、「これらを支えているのが『次世代型システムインテグレーター』というビジョン、そして3つにわたる主要戦略だ」と説明する。
具体的には、「① SIサービスの高付加価値化」「② SIモデル変革の推進」「③ 事業領域の拡大」の3つが主要戦略であり、たとえば①では経営陣とトップエンジニアを交えて技術投資すべき領域を選定することで、今後の社会やビジネスに与える影響が大きなテクノロジーに積極的な年間投資を行っているという。高付加価値SIサービスとしての売上高について「5年間で5.3倍と順調に拡大している」と大垣氏は自信を見せる。また、②では「PROJECT IQ」と呼ばれるトラブルプロジェクトの撲滅を目指すために、プロジェクトパフォーマンス評価を可視化するためのシステムを導入。他にも働き方改革を推進するために本社移転も実施している。さらに③では、コンサルティング関連事業が前年同期比50%増と伸長しており、ノウハウのアセット化などによる事業拡大を目指すという。
なお、同社は2023年にエンタープライズアジャイル事業本部を発足させており、「SAFe」に基づくコンサルティングや教育事業に注力してきた。同社 執行役員フェロー コンサルティング本部 本部長 上條英樹氏は、「本年度はビジネスアジリティを向上させるため、伴奏支援やワークショップを通した支援を行っていく」と説明。今後同社では、ブランディング戦略の推進、新人事制度の導入などを通じて、戦略推進に必要となる人材確保と育成にも注力していくとのことだ。