富士通は、三菱電機エンジニアリングの業務プロセス改善に向けて、「SAP Signavio」のプロセスマイニング機能を活用した可視化・分析サービスの提供、およびコンサルタントによる課題分析が必要な業務領域の特定・改善提案を行った。
三菱電機エンジニアリングでは、2022年より「SAP S/4HANA」(現行システム)を導入しているという。2025年に控えるバージョンアップに向けて、現行システム導入時に策定した販売や購買業務などにおける業務フローの妥当性や活用度を評価し、現行システムの適正・適切な運用による業務品質の向上や、プロセス標準化促進による業務効率の向上を踏まえたうえで、システムと業務の両面での運用コスト削減を検討する必要があったとのことだ。
これらの検討に向けて、富士通は現行システム導入後の効果について継続的なモニタリングや分析・評価を行う可視化・分析サービスを用い、現行システムに保持されているログデータから業務プロセス全体を可視化。この結果にもとづき、ボトルネックとなっている工程やプロセスのばらつきを把握し、業務改善ポイントを導き出すアプローチを用いてコンサルタントが改善提案を行ったという。
この改善提案をもとに、三菱エンジニアリングとワークショップで議論を行い精査することで、業務課題の抽出および改善の方向性を整理することができたとしている。同取り組みは、顧客へのヒアリングにより業務の現状を把握する従来のコンサルティング手法と比べて、データを用いて素早く現状を明確化できるため、通常6ヵ月から1年を要する現状把握フェーズを約1ヵ月に短縮し、業務課題の本質を深堀りする議論に時間を割ける点がメリットとのことだ。
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