インフォマートは、マンダムが「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入したことを発表した。
「BtoBプラットフォーム 請求書」導入前の課題
請求書の発行先は約670社で、主な取引先は卸事業者で、請求書の要件を満たす書類は2種類あるという。1つは、海外の取引では主流のインボイスの単位である、取引ごとに都度発行するもの。これは、日用品・雑貨品業界では卸事業者との取引でよく使う業界統一伝票で「仕入伝票」と呼ばれるとのことだ。もう1つは、1ヵ月分をまとめて発行する一般的な請求書「締め請求書」だという。
請求書業務では、2つの大きな課題があったという。1つは紙での発行による、印刷、封入、郵送などにかかる業務とコストの負荷。2つ目はインボイス制度と電子帳簿保存法への法令対応とのことだ。
マンダムでは、業界に特化したEDIを使用しているという。そのEDIシステムの仕様である「仕入伝票」は専用の帳票を使うため、旧式のドットインパクトプリンタから出力する必要があり、用紙のセットもミリ単位での調整が必要だったとのことだ。テスト印刷を何度か行い、印刷に不備があれば再印刷するなど、手間がかかるため、当番を決めて出社するといった対応が必要だったとしている。
印刷後は、窓あき封筒の窓に住所が合うように調整して用紙を折って封入。封入だけでも30分かかるという。郵送も、速達かレターパックか封入枚数で分けたり、ポスト投函のために外出する場合もあり、特注の封筒代や特別帳票の購入代、郵送費等コスト面も大きな負担だったとのことだ。
インボイス制度での消費税額計算の端数処理は「インボイス1枚につき、税率ごとに1回」がルールだ。そのため、従来の「仕入伝票」ごとの端数処理と、月次でまとめた「締め請求書」の端数処理では差額が発生してしまうという。検討を重ねた結果、マンダムでは取引ごとの「仕入伝票」を、インボイス制度対応での適格請求書と定めた。従来の「締め請求書」のまとめた請求金額で支払処理をする顧客もいるため、インボイスとは別に月次の請求金額も伝える必要があり、「請求金額通知書」と名前を変更しての発行にしたという。
しかし、取引先は取引の都度、大量の紙の請求書を受け取って処理をするのでは大変なため、請求書の発行を紙からデジタル化する必要があったとしている。
導入の決め手(プレスリリースより抜粋)
BtoBプラットフォーム 請求書は、以前から受取請求書でよく見かけており、興味がありました。調べてみると、データの流れがきれいで、基幹システムとの連携もスムーズです。フォーマットもわかりやすく、欲しい項目や機能も充実していました。
その上、様々な事情でどうしても紙の請求書を希望されるお客様については、オプション機能で郵送代行も用意されており、お客様側は紙で受け取りながらマンダムとしては完全デジタル化が可能となります。会社のシステムを見る立場からすれば、断然このサービスだと、悩むことはありませんでした。
何より、導入実績が豊富で市場優位性もあり、安く、早く、信頼性も高いというのも決断の後押しとなりました。
導入効果
取引ごとの明細データを集計・分析し、用途が広がり利便性が向上
取引ごとに発行していた「仕入伝票」は、「請求書」としてBtoBプラットフォーム 請求書から従来のように都度発行しており、この帳票をもってインボイス制度へ対応しているという。
月次にまとめて発行していた「締め請求書」は、BtoBプラットフォーム 請求書の通知書機能を利用して、1ヵ月分の請求金額を通知する運用に。税計算は取引明細ごとと、インボイスの要件とは異なるため「ご請求金額通知書」という形で送っているとのことだ。
月次の請求額が知りたい顧客には、会計処理は「ご請求金額通知書」で行うよう案内。一方、取引ごとの明細データをエクセルにして集計・分析できるため、用途が広がり利便性が高まったとしている。
年間で1,400時間以上かかっていた業務時間を約9割削減
都度発行する請求書は、従来どおり基幹システムで伝票転記処理をすれば、BtoBプラットフォーム 請求書へ自動でデータがアップロードされる仕組みだという。対象が約670社あるため、当初から手動でのアップロードは考えていなかったとのことだ。
発行も、最初の1ヵ月は財務部が金額の確認後に発行ボタンを押していたが、問題がないことがわかり自動発行に切り替えたとしている。
「締め請求書」も同様に基幹システムと連携し、5・10日に財務部が締め処理をして、正しい金額か画面上で確認。その後は自動でBtoBプラットフォーム 請求書にデータが連携されて、自動発行する流れだという。
業務負担の軽減効果については、紙にまつわるすべての作業がなくなったほか、郵送のために出社する必要もなくなり、完全にリモートワークで対応できるようになったとしている。
郵送費、専用帳票や特殊封筒の購入代、プリンタの電気料金や維持費などがゼロになり、年間コストは約520万円から56万円へと削減。導入前は、年間で1,400時間以上かかっていた業務時間も150時間まで短縮できたとのことだ。
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