インフォマティカは、生成AI導入の現状に関するグローバル調査レポート「CDO Insights 2025」を発表した。
日本を含むアジア太平洋地域、欧州、北米の国々のCDO(最高データ責任者)、CAO(最高分析責任者)、CDAO(最高データ分析責任者)を対象とした同調査では、2025年の企業の生成AIおよびデータマネジメントへの投資傾向、また優先事項や課題が明らかになったとしている。
企業における2025年の生成AIおよびデータマネジメントへの投資は拡大傾向に
- 大多数のデータリーダーが今年、生成AIへの投資(日本:90%、世界全体:87%)およびデータマネジメントへの投資(日本:81%、世界全体:86%)を拡大する予定であると回答
- 生成AIイニシアチブの推進理由となるビジネス上の優先課題について、多くの日本のデータリーダーは、特に顧客体験の向上(日本:52%、世界全体:43%)や業務の生産性の向上(日本:48%、世界全体:43%)を重視
多くのデータリーダーが、生成AIの業務上の価値の証明が困難であると感じている
- 企業が生成AIへの投資拡大を計画している中、大多数のデータリーダー(日本:95%、世界全体:92%)は、生成AIイニシアチブから現実よりも早期にROI(投資対効果)が得られるという経営幹部からの過度な期待やプレッシャーに直面している
なお、データリーダーのほぼ全員(日本:95%、世界全体:97%)が、生成AIの業務上の価値を証明することの困難に直面していると回答したという。日本のデータリーダーは、主にサイバーセキュリティとプライバシーに関するコンプライアンス(日本:52% 世界全体:46%)や、ROIの効果的な測定ができない(日本:43%、世界:28%)といった制約事項のために、生成AIイニシアチブの業務上の価値を証明することは難しいと考えているとのことだ。
半数以上のデータリーダーが、生成AIパイロットの本番環境への移行に苦戦
データの課題はいまだに最大の障害であり続けているが、新しい障害も登場しているという。その結果、半数以上のデータリーダー(日本:52%、世界全体:67%)が、生成AIパイロットの半数さえも本番環境に移行できておらず、さまざまな障害に直面しているとのことだ。
- 日本企業におけるパイロットの成功を阻む最大の要因は、AI技術自体の成熟度と相互運用性の欠如(57%)で、そのほか、データ品質や準備状況などのデータに関する課題(48%)や、価値を実証できないといったプロセスに関する課題(48%)も多く見られる
- 加えて、約半数(日本:48%、世界:56%)のデータリーダーが、とりわけデータの信頼性が生成AIパイロットを進めるうえでの大きな障害になっていると回答
また、大多数(日本:76%、世界全体:92%)のデータリーダーが、過去に発見された問題に対処することなく新しい生成AIパイロットが推進されていることを懸念しているという。
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