SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2025 春の陣

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

Security Online Press

外務省CISO補佐官らが登壇──なぜ日本ではCISO設置が進まないのか、なぜ上手く機能しないのか?


日本でCISO設置が進まない理由、海外組織と何が違う?

 日本国内のCISOの現状はどうなっているのだろうか。ここからは、ストーンビートセキュリティの代表取締役(設立者)であり、外務省でCISO補佐官も務める佐々木伸彦氏が解説した。

ストーンビートセキュリティ株式会社 代表取締役 佐々木伸彦氏
ストーンビートセキュリティ株式会社 代表取締役
佐々木伸彦氏

 まず、国内組織におけるCISOの設置状況について。2024年に日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表した報告書によれば、CISOを「設置済み」の企業は2022年度の時点では16.4%だった。それが2023年度になると25.8%に増えているのだが、それでもまだ「微増」といったところで、CISO設置はなかなか進んでいないのが現状だ。また、設置済みの企業の中でも、CISOが上手く機能している組織はほんの一握りだという。

[画像クリックで拡大表示]

 売上高別では、設置状況に明らかな傾向が見られる。売上高1兆円以上の企業に絞った場合、CISOを「単独で設置済み」だという割合は35.0%にのぼる(2023年度時点)。さらに、「CIOと兼務で設置」と回答した割合も32.5%と出ており、合わせると60%以上の企業が何らかの形でCISOを設置していることになる。

 この調査結果そのものは、そう驚くような内容ではないだろう。上場企業のほうがガイドライン対応やサプライチェーンマネジメント、経営ガバナンスにリソースを費やしているのは当然で、豊富なスキルを備えた人材も数多く抱えている。反対に中小企業では、そもそもセキュリティの責任者になれるような人がいないというのが日本では一般的だ。「昨今、サイバー攻撃の高度化・深刻化により、海外ではCISOを設置する組織が増加しているが、日本は全体的に見ると未整備、あるいは機能していないという組織が多い」と佐々木氏は述べた。

 なぜ日本ではCISOの設置が進まない(または機能しない)のか。佐々木氏は複数の要因を挙げた。まずは、法規制の強制力の弱さだ。ガイドラインなどはあるものの、海外に比べると国からの要求やレギュレーションに強制力がない点が、CISOの浸透を鈍らせているという。

 次に、適任者の不足。セキュリティの技術的なベースを持っていて、かつ“経営・ビジネスのためのセキュリティ”を考えられる人はやはり少ないと佐々木氏。とはいえ、そもそも情報セキュリティに精通する専門人材の不足も日本企業が共通して抱える課題だ。さらには、経営層のセキュリティに対する理解不足もよく指摘されている。これらの課題は、最終的に組織のセキュリティに対する意識や優先度の低さにつながってしまう。

 佐々木氏は最終的に、海外の組織と国内の組織におけるCISOの違いを次のようにまとめた。

[画像クリックで拡大表示]

次のページ
日本企業に有効?「チームでCISOの機能を果たす」とは

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
Security Online Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

2022年よりBiz/Zineで取材編集や執筆を担当。2024年4月、EnterpriseZine編集部に加入。サイバーセキュリティ、データ・テクノロジーに携わる方、テクノロジーによる変革を牽引するCIOやCDO、CISOに向けた情報を発信します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/21478 2025/02/26 10:48

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング