三井住友カードは、クレジットカードなどのタッチ決済による公共交通機関向けソリューション「stera transit」の基盤を展開したMaaSプラットフォームの稼働を開始した。あわせて、MaaSプラットフォームを活用したサービスとして利用者向けの総合交通アプリ「Pass Case(パスケース)」の提供開始も発表した。
三井住友カードは、2020年7月よりstera transitを展開し、交通システムの利便性向上に取り組んでいるという。stera transitは、国際ブランドカードの非接触決済機能を活用し、日本中の交通事業者が統一されたクラウドシステムに接続することで、交通乗車が可能となるもの。
同社は今回、stera transitの基盤を応用し、事業者や地域をまたがる新たな移動サービス、移動ニーズの変化に対応した柔軟な乗車サービスの提供を可能とする新しいMaaSプラットフォームを構築したという。同プラットフォームを通して、定期サービスや住民割引・回数割引・企画乗車券などの機能を提供し、stera transitでの新たな交通の使い方や移動の創出を目指すとしている。

stera transit MaaSプラットフォームが生み出す価値は以下のとおり。
1. 社会課題の解決
- 交通事業者のDX:アプリなどの操作と端末のタッチ決済のみで完結するため、駅構内での乗車券販売手続きや、券売機・運賃箱への現金補充業務などを削減し、交通事業者のDXに貢献する。また交通事業者だけでなく、すべての地域・事業者のデータを活用できる
- 地域経済の活性化:日本中の交通事業者と移動に関わる周辺地域における観光などの消費を結びつけることができる。特定の地域に留まらない新たな移動と消費行動を創出することで、地域経済に貢献する。
2. 利用者の利便性向上
- 日本初の技術で決済手段と移動手段を1枚に集約:Pass Caseや交通事業者などのアプリをプラットフォーム上でつなぎ、交通事業者が提供する各種サービスをアプリ上で決済可能となる。決済に使用したクレジットカードやまたは同カードを設定したスマートフォンで、そのまま複数の交通機関の乗降や施設入場が可能となる
- 交通をパーソナライズ:利用者のライフスタイルやニーズに合わせて乗車サービスを選択できるようになる。回数券や期間指定の定期券、住民割引、昼間利用限定での割引などで、多様化する生活様式に対応。今後は、交通利用と消費行動を掛け合わせたデータ分析により、利用者の属性に合わせた乗車サービスの提供を予定している
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