ストックマークは、同社が提供するRAG実用化サービス「Stockmark A Technology」(以下、SAT)の新機能として、次世代技術の「Agentic RAG」を誰でも簡単に開発・実装が可能な「SAT Agent Cockpit」を7月8日に提供開始した。
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SAT Agent Cockpitは、SATで構造化した多様で複雑なデータから、高度で専門的な業務を再現できるAgentic RAGが、専門知識やITスキルなしで活用できる新機能。従来のRAGが、ユーザーのリクエストに対して「1回の検索と回答生成」で完結するのに対し、Agentic RAGは、思考・行動・観察といった行動を自律的に繰り返すことで、より精度の高い回答を導き出すという。
これにより、汎用型AI・従来のRAGシステムでは困難であったプロフェッショナルな業務の再現が可能になるとのことだ。具体的には、文脈の理解・暗黙知の反映・ノウハウや判断基準の再現などが行えるという。
さらに、SAT Agent Cockpitは次のような導入障壁を解消するとのことだ。
- 導入・運用コストの削減(経営層・IT部門)
- 専門業務の壁の打破(業務部門・現場ユーザー)
- 回答精度や専門性に対する不安の払拭(実務担当者)
SAT Agent Cockpitの第1弾機能として「複雑なデータの処理(構造化)」「Agentic RAG構築」「即時利用・簡単接続」の各機能を実装するという。主な機能は次のとおり。
- データ処理(構造化):Excel方眼紙・図表・概念図などを含む非構造化データを、高精度かつ業務利用に最適な形式へ自動で構造化でき、AI活用の前提となるデータ整備を迅速に実現
- Agentic RAG:従来は技術的ハードルが高かったAgentic RAGの開発・導入を、専門知識なしで実現することが可能。質問の分解や段階的な絞り込みツールがプリセットされ、これまで生成AIの導入・活用を阻害していた障壁を解消。また、SAT Agent Cockpitでは、業務プリセットされたエージェントを順次追加予定
- セキュリティ対応:構造化データや、構築したAgentic RAGは、SAT Agent Cockpit内での活用はもちろん、プライベートクラウドやオンプレミス環境での活用が可能。 これにより、企業ごとのセキュリティ要件に応じた運用が可能
なお、SAT Agent Cockpitは、継続的なアップデートを予定しており、7月下旬をめどに業界や目的別に最適化された業界特化AIエージェントをプリセット&即時起動が可能な「プロフェッショナルエージェント機能」を実装予定としている。第1弾では「化学業界×レビュー業務」に最適化されたエージェント、第2弾は「不動産業界×営業業務」、その後も対応業界・業務は高い頻度で更新を予定しているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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