グローバル売上の25%に迫る日本市場 今後の成長見込みは?
──直近の四半期(2025年5月~7月)の売り上げは、前年同期比9%増と好調です。成長の要因はどこにありますか。
この伸びは、あらゆるセグメントからもたらされるものです。中小企業、大手企業、日本、米国……あらゆるセグメントからも健全な成長が見られます。
──では、日本からの収益が全体の約25%を占めていますが、日本市場に依存している点について懸念はありますか。まさに日本でBoxは成功していますが、米国のユーザーと活用方法に違いはありますか。
日本市場については、まったく心配していません。むしろ、大きな可能性があることに興奮しています。日本で大きな成長を遂げた理由は、日本企業が一般的に革新や技術進歩、ロボティクス、自動化に前向きだからだと分析しています。
Boxの使い方では、日米の違いはそれほど感じません。業界別に見ても非常に似ています。
──では、競争環境の変化についてお聞きします。DropboxやGoogle、Microsoftといった既存の競合はもちろん、Anthropicもドキュメントに関する新機能を提供するなど、その境界線が曖昧になっています。こうした事業環境をどのように見ていますか。
今名前が挙がった企業のほとんどは、Boxにとってのパートナー企業です。これらの企業はエコシステムの一員であり、協力しています。もちろん競合する部分もいくつかありますが、ほとんどの企業にとってBoxはパートナーの中心です。
そして何よりも、Boxがフォーカスしているのは競合他社ではなく、“顧客のための革新”です。競合の動きも注視していますが、われわれは自分たちが得意とする領域を強化していきます。Boxは企業のコンテンツを管理・保護でき、インテリジェンスをもたらす“世界最高のプラットフォーム”を目指しています。そのためには、もっと速く動き、もっと迅速に意思決定を下したい。Boxに課題があるとすれば、スピードでしょう。
──では、最後にお聞きします。20年間Boxの経営を続けることができた、その原動力はどこにあるのでしょうか。
われわれが注力している分野が常にエキサイティングだからです。そして現在、AIにより過去20年で最もおもしろい時期を迎えています。これまでで一番楽しく、おもしろい時代にあると感じています。
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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
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