“止められない”システムの運用管理の現場で今求められていることは? 日立製作所「JP1」からひも解く
複雑化する金融システムの課題と対策──4社の視点から “最適解”を探る:日立製作所の視点
生成AI、オブザーバビリティなども活用して運用高度化へ
岡本:ここまで話してきたような環境やニーズの変化に対して、JP1ではどのように対応しているのでしょうか。
高木:最新のJP1やJP1 Cloud Serviceでは、クラウド対応や生成AIを活用した機能など、大幅に強化しています。たとえば、オートメーションの「JP1/AJS3」や「JP1 Cloud Service/Job Management(JP1 CS/ジョブ管理)」ではクラウド連携機能を強化しており、バッチ処理の途中でAmazon S3やAWS Step Functionsを用いたジョブ設計が可能です。
また、オブザーバビリティ商品の「JP1/Integrated Management 3(JP1/IM3)」や「JP1 Cloud Service / System Management(JP1 CS/システム管理)」の機能も強化しています。先ほどの通り、お客様のシステム構成は極めて多様化していますので、それらを効率的に監視し、万が一の障害発生時の対応を迅速化するためのオブザーバビリティの重要性は非常に高まっています。そうしたニーズに応えるため、JP1/IM3やJP1 CS/システム管理のオブザーバビリティ機能の拡充には特に力を入れています。
岡本:JP1は生成AIを活用する機能強化も進めているのですね。
高木:先ほど紹介した「JP1 CS/システム管理」では、生成AIと連携することで、お客様の対応マニュアルを自動引き当て、一時対処の方法などを提案することができます。この機能により、障害発生時にトラブルシューティングをより効率的に行えます。
岡本:こうした運用の高度化につながる機能追加は、ユーザーからの支持も集めそうです。一方、どれだけツールが進化しても、それを使いこなせるだけの体制や人材が整っていないと、宝の持ち腐れになってしまいますよね。
高木:そうですね、システム運用管理の課題解決に取り組む上では、組織の問題は避けて通れません。最近では「SRE(Site Reliability Engineering)」を設ける企業も増えてきましたし、日立製作所としても「JP1 Cloud Service / Operations Integration」で運用の自動化や改善、ナレッジの蓄積・活用といった機能を提供することで、お客様による運用改善の内製化の取り組みを支援していきたいと考えています。
これまでJP1はどちらかといえば、運用管理の担当者の方に使っていただくことが多かったです。しかし、これからはお客様のSREや内製化のニーズにも応えられるよう、開発者の方々にもメリットのある環境を提供していきます。
「JP1」の最新動向を把握したい方にオススメ!
セミナー&イベントで紹介している「JP1」のソリューションや最新情報の資料をダウンロードいただけます!

この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- EnterpriseZine Press連載記事一覧
-
- “止められない”システムの運用管理の現場で今求められていることは? 日立製作所「JP1」か...
- 「誰もいなくなった水族館」を見た沖縄観光業の情シスが“データ”で危機を脱却?土地を活かすデ...
- “触れない”基幹系データをAIへ レガシーを残しながらも「次世代データ連携基盤」を構築する...
- この記事の著者
-
吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)
早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:サイオステクノロジー株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
