2025年9月30日、セールスフォース・ジャパン(セールスフォース)は、新サービス「Life Sciences Cloud for Customer Engagement」発表にともなう記者会見を開催した。会見では、同社が提供する12種類の業種別クラウドを総称した「Industry Cloud」と、そのうちのひとつである「Life Sciences Cloud」内に搭載された新サービスの詳細について紹介された。
Industry Cloudは、2014年に金融向けのサービス「Financial Services Cloud」の提供から始まり、2024年には100以上の業種特化型AIプロンプトを標準搭載した「Industries AI」が発表。Industry Cloud上で、AIが活用できる環境が整備された。

そのほか、2025年には同社の「Agentforce」を搭載した「Agentforce for Industries」も発表されている。Agentforce for Industriesについては「業界ニーズに沿った200以上の特化エージェントを標準搭載しており、金融業界では三菱UFJ銀行が導入を決定するなど、既に動きが見え始めている」と同社 ソリューション統括本部 インダストリーアドバイザー本部 本部長の西田一喜氏は説明した。
その中で、2016年からは「Health Cloud」として医療機関向けのサービスが展開されており、2024年にはライフサイエンス業界向けのLife Sciences Cloudも発表されている。Life Sciences Cloudは、それぞれ患者をマネジメントする機能、医療従事者をマネジメントする機能が備わっており、現在は患者向けサービス機能、患者を臨床試験に組みこむクリニカル業務向け機能が昨年にローンチされている。
今回発表されたLife Sciences Cloud上のCustomer Engagement機能は、医者と接点を持つ営業担当者や医療従事者に向けた機能。グローバルでは10月11日に、日本では11月下旬にローンチ予定だという。
「この機能の特徴は、MR(製薬会社の営業担当)とSR(医薬品卸売販売会社の営業担当)が使用するCRM(顧客関係管理)画面からインサイトを得られるところにある」と同社 ソリューション統括本部 インダストリーアドバイザー本部 ライフサイエンス業界担当シニアマネジャーの早田和哲氏は説明する。AIと会話形式で画面を見られるUIを提供し、インサイトを得られるようにしていくとのことだ。
同機能は、以下の画像のような3層のアーキテクチャで構成されているという。基盤レイヤーから導入し、徐々にステップアップしていくような活用も可能だとしている。

同機能に関して、グローバルでは既にファイザー(Pfizer)やフィディア(Fidia)などが導入を進めているという。同社では年3回のバージョンアップを予定しており、最初のバージョンでは27項目の機能が搭載される予定。その後も、順次機能の追加を予定しているとのことだ。
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