2025年10月8日、日立製作所(以下、日立)は、AIの事業戦略に関する説明会を開催した。

同社 AI&ソフトウェアサービスビジネスユニット事業主管 兼 CLBO 黒川亮氏
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 カスタマーエンジニアリング担当 上級執行役員 小池裕幸氏
写真提供:株式会社日立製作所(編集部で加工)
同社は「Lumada 3.0 Powered by AI」を掲げて推進する中、鉄道向けAIソリューション群「HMAX(Hyper Mobility Asset Expert)」を中心として、既に一定の成果を上げている。ここには「自らデジタルを中心に据える『クライアントゼロ』がある」と、同社 細矢良智氏は説明する。

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日立では経営から現場まで、AIエージェントによるビジネス変革を推進しており、業務改革効果の高い間接部門から適用しているとのことだ。

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ここに加えて、マルチモーダルAIによる業務変革をより進めていくため、日立はGoogle Cloudと戦略的提携を拡大することを発表した。
具体的には、電力や鉄道などにおける、OT機器などにAIを組み合わせていくとして、業務特化型のAIエージェントを開発していく。特にフロントライン部門の現場担当者をサポートすることを目的としており、「Gemini Enterprise」を用いてローコード/ノーコードで開発を行う。

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Gemini Enterpriseでは、他社のAIエージェントもまとめて管理できるため、「ガバナンス強化にもつながる」とグーグル・クラウド・ジャパン 小池裕幸氏。日立が有する「Agent Factory」とあわせながら、GlobalLogicと積極的に展開していくとした。なお、オンラインで登壇したGlobalLogic 社長 兼 CEOのスリニ・シャンカール(Srini Shankar)氏は、「日立とGlobalLogicは、AIプラットフォームにおけるケイパビリティを拡大しており、(フィジカルAIを含めた)HMAXの展開を加速していく」と述べる。
また、HMAXの基盤となる「NVIDIA AI Factory」でのフィジカルAIソリューションの開発に関連して、NVIDIA データーセンタービジネス担当VP ヨゲシュ・アグラワル(Yogesh Agrawal)氏がビデオメッセージを寄せた。「AIの活用を考える企業には『AI Factory』が必要だ。新たな産業革命の原動力となるものであり、日立製作所との協業で新しい未来を実現していく」(Agrawal氏)
なお10月2日に、日立はOpenAIと戦略的パートナーシップを締結している。これに留まらず、AIエコシステムを拡充していきながら、HMAXを全産業に活用していくとした。

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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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