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「Oracle AI Database 26ai」登場 次世代AIネイティブDBとオープン化戦略

「Oracle AI World 2025」現地レポート

Oracleはデータベース管理にもAIを活用 信頼性を担保する「Gendev」とは

 Oracleは、次世代のAI技術として「AIエージェント」をデータベースに組み込んでいる。AIエージェントは、質問の回答を得るために計画を立てたり、複数のアプローチを試したり、ツールを使用したりする多段階ワークフローの実行役だ。現在同社ではOracle Cloud Infrastructure(OCI)やGoogle Cloud(GCP)、Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)など、さまざまなAIエージェント・フレームワークとの統合を進めており、データベースにもAIエージェントを直接入れ込んでいる。この「データベース内AIエージェント」は、データをデータベースから出す必要がないため、セキュアかつ高速に処理できる点が利点だ。

 その一例となるのが「Oracle SQLcl MCP Server」であり、MCP(Model Context Protocol)サーバーによって、LLMはデータベースのメタデータを自動的にクエリし、関連するテーブルやカラムを見つけだす。これによりSQLの記述・実行だけで、自然言語の質問に対する回答を提供できるようになった。言い換えれば、オンデマンドのSQLエキスパートを持つようなもので、極めてシンプルで強力なAIエージェントを実現できる。

 また、LLMやクライアントの利用状況はデータベースの監査証跡に記録され、管理者は誰がどのLLMを使用しているのかを追跡できるなど、セキュリティも考慮しているという。AIエージェントはデータベースのデータだけでなく、Web検索など外部の情報源を組み合わせて、より詳細に回答することも可能だ。

AIによるデータ開発ワークフローの変革、信頼性の構築

 Oracleでは、データベース管理の課題解決にもAIを応用している。たとえば、スキーマの作成では「SQL Developer AI Assistant」を用いることで、自然言語の説明だけで簡単にスキーマを生成可能だ。また、LLMがスキーマを理解できるようにテーブルやカラムの目的などを記述する、「アノテーション(注釈)」が追加されている。これにより該当するデータが何で、いつどのように使用すべきかをAIに説明でき、LLMはより良い結果を返せるようになった。

 さらにAIアシスタントによる「ETLパイプライン」の作成、本番データに近似した「合成テストデータ生成機能」も追加されている。データのクエリも「Select AI」機能によって自然言語による質問をSELECT文として実行でき、フォローアップの質問も可能だ。

 加えて、ロアイザ氏はエンタープライズ・アプリケーションにおける「信頼性(トラスト)」の重要性を強調した。Oracleは、AI、データ、アプリケーション開発を一体化して設計する「Generative Development for Enterprise(Gendev)」と呼ばれる手法を採用することで、アーキテクチャに信頼性を組み込んでいる。

 このGendevにより、データの正確性、アプリケーションの改修、データプライバシーといったリスクに対処していく。データの正確性、アプリケーションの改修といった課題には、JSON Relational Dualityというデータモデリング機能により、“信頼できるデータAPI”とSQLを組み合わせることで、アプリケーションはスキーマに依存せず、ビジネスルール全体に対し「整合性(ACID特性)」を確保しつつ“データの読み書き”ができる。

 また、データプライバシーを確保においては、AIがデータベースに直接アクセスする際、アプリケーション側で設定されたプライバシールールでバイパスしてしまうリスクが存在する。これを解決するため、Oracleはデータベース自体に高度なルールエンジンを構築した。これによりエンドユーザーの役割(ロール)に基づき、データベースで誰がどのデータ(行、列、セルレベル)にアクセス可能なのか、そのアクセス権を制御できるため、AIが生成したSQLによって許可されていないプライベートデータを公開することはない。

 さらにアプリケーションレベルのハルシネーションのようなリスクを軽減するためには、AIの使用方法を制限し、生成された結果の背後にある推論を検証する必要がある。ロアイザ氏は、この解決策として「Trusted Answer Search」と「APEX Interactive Reports」を組み合わせるアプローチを紹介した。これは自然言語の質問をLLMに直接回答させるのではなく、事前に作成された“信頼できるレポート”にベクトル検索で照合させることで、回答の正確性を保証するというものだ。

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Apache Icebergを採用 オープン性を強調した「Oracle Autonomous AI Lakehouse」

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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