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脱ブラックボックス化!「ITコスト管理」の打ち手を探る

コープさっぽろ/日清食品GのIT費用管理術 AI台頭で状況が一変している今、CIOが担うべき役割とは

「CIOはIT活用のアクセルを踏む存在に」長谷川氏と成田氏がIT投資の現在地を語り合う

新サービス導入にハードルは不要 CIOはアクセルを踏むべき

畠山攻めのIT投資を進める際、経営陣や他部門にどうROIを示すかで悩む企業も少なくありません。この観点から、お二人が意識している点はありますか。

長谷川ROIの計算に時間を使うより、「良い仕組みや機能づくりに注力すべき」というのが私の意見です。導入が利益に直結するシステムはほんの一部ですし、フルセルフレジのように時代の流れで導入せざるを得ないものもあるわけですから。

 私の場合、個別のROI算出より“全体管理”を優先しています。IT費用を供給高の1.3%以内に収めるようコントロールしているのも、その取り組みの一環です。年ごとのシステム供給(売上)貢献率も見ていますが、利益につながりにくいインフラ領域から、利益に直結しやすいアプリケーション領域へと順に改善を続けた結果、20年度からきれいに向上しています。

成田私も、最近は徐々にROIのみには重きを置かなくなってきましたね。たとえばセキュリティ投資はROIで語らずとも意義が伝わるケースが多いです。AIにいたっては効果の及びうる範囲が広く技術の進歩も速いので、ある特定の時点のある領域でのみ切り取ってROIを算出しても意味が薄いですよね。

畠山AI時代の今、IT費用管理の方法はどのように変わっていくとお考えですか。

(左から)成田氏、長谷川氏、DIGGLE株式会社 CCSO(Chief Customer Success Officer) 畠山遼氏

長谷川学識理事の堂前宣夫さんに指摘されて気づいたんですが、IT費用管理のKPIに人件費を絡めるべき時期が来ていると思います。これまでは「IT費用/供給高」を見ていましたが、今後は「(IT費用+該当本部の人件費)/供給高」で管理すべきではないかと。AIエージェントが業務の大半を代替して人件費に大きく影響するなら、「ITコストが増えても人件費が減って帳尻が合えばいい」という発想になりますよね。

成田たしかに、AIエージェントの活用は業務変革だけでなく、「どのような人的リソースをどのように配置するか」「どのようなスキルをどのように育成するか」といった人事戦略にも直結しますから、今後は人事の視点からもIT費用を見る必要は出てきそうですね。

長谷川その際、「1人あたりのIT費用」という考え方も重要になると思うんです。たとえば、比較軸がSaaSだとAIの月額利用料は高く見えますが、人件費と比べれば圧倒的に安い。月30万円の社員の仕事が3,000円で大きく効率化できるわけですから。

畠山では、IT費用の捉え方が大きな転換点を迎える中、CIOはどのような役割を果たしていくべきでしょうか。

長谷川IT費用を「事業に貢献しないが、ないと困るコスト」ではなく「経営や業務に効く投資」と捉え直し、KPIも見直す必要があると思います。とはいえ、売上や利益に直結する領域だけに費用を寄せ過ぎると、ミドルウェアやOSなどの基盤部分が弱まってくるので、見えにくい部分も継続して改善していくことが大切です。

成田無駄な支出を解消していくことは引き続き重要ですが、「できるだけIT費用は安いほうがいい」という時代は終わりつつあります。人事や経営にインパクトを与えるITが増える中で、最適なものを選んで提案することもCIOの役割だと思います。

長谷川私もプッシュしていく大切さは実感していますね。当社では、ChatGPT導入時に希望者へ申請書を書かせるフローが提案されたのですが、「それではダメだ」と止めさせました。効果を体感してもらうのが目的ならハードルは要らないし、使われないライセンスは自動削除すればいい。こうした形でIT活用のアクセルを踏むことも、CIOに求められると思います。

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この記事の著者

DIGGLE株式会社(ディグルカブシキガイシャ)

 「Dig the Potentialテクノロジーで、企業の成長可能性を掘り起こす。」をMissionに、経営資源の戦略的な投資判断を支える「DIGGLE予実管理」をはじめとした、「ヒト」「モノ」「カネ」の最適なリソースアロケーションを実現する複数プロダクトの開発・提供を行っています。「経営の動脈に...

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