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SaaSの進化に追随してTo-Beもアップデート

 稼働から約2年が経過した現在、SaaS活用の本質的な価値を実感していると後藤氏。「SaaSは常に我々の考えているTo-Beよりも上を行く速度で成長していくので、四半期ごとのアップデートに追随することで、我々のTo-Beを結果的に引き上げられると感じています」と効果を述べた。

 そして今、同社はAI活用という次のステージへ踏み出している 。業務執行の自動化を進めることで、人間が業務管理や事業管理に集中できる環境の構築を目指し、Oracle AI Agent Studioを活用したAIエージェント開発の    実証実験を進めているところだ。

結果的に得た「AIレディ」な状態──効率的 な業務管理へ

 同社がOracle Fusion Cloud Applicationsを選択した2021年当時、AIを前提としたシステム設計などはしていなかったものの、「結果的にいわゆる“AIレディ”な状態を獲得している」と小室氏は述べる。その要因はSaaSファーストとFit to Standardの戦略にあった。Oracle Fusion Cloud Applicationsに組み込まれたAIエージェントが整備されたデータの中を動くため、結果的にAIの活用推進につながっているのだ。

 ただし、これまでのデータ管理には課題もある。オペレーションの仕方によって取得できるデータが変わってくるため、データを活用する場面で、受注伝票や債権データの項目が足りないこともあったという。データとAIの活用を見据えたオペレーションの是正作業は現在も進行中だ。

 データ活用基盤も拡充している。データウェアハウスの分析軸については、経営・事業・業務管理という3つの観点からデータ活用に比重を移していく見通しだ。

 AI活用の実践について、槙氏は「ユースケースを業務部門側に提案するために検証している段階です」と語る。また、並行して「Microsoft Copilot」を使った全社AI教育も行っている。翻訳や要約など、AI活用の第一歩を体験できるプログラムを海外も含めて全グループで実施しているという。

 槙氏は今後について「我々が描いているTo-Beを追い抜くスピードで、SaaSがアップデートされていくので、その差を縮める意味でもAIを武器にしていきたいと考えています。ERP導入時はOracleの標準機能を武器に 業務部門に 伴走してきたので、今後はAIエージェントを業務部門側 が使える状態にしていくことが目標ですね」と述べた。

 小室氏は「ERP領域は差別化する領域ではないので、徹底的に自動化、省力化、効率化を追求していきます。一方で、データ活用に比重を移していくことも考えています。業務の「執行」の比重を軽くし、ユーザーが企画やコントロールといった領域によりフォーカスできるようにする。その過程で得られたデータや導き出されたインサイトをどう活用できるか検討することこそ、AI時代の人間がなすべきことではないかと思います。これが実現できる環境をつくっていきたいです」と今後の展望を語った。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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