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NutanixはHCIからプラットフォーマーへ 年次イベントで示したVMware買収騒動後の新戦略

インフラの「自由」を定義するNutanix、AIを起点とした全方位戦略を強める


目玉の一つとなったNetAppとの提携、AMDやLenovoによるAI基盤の最適化 Nutanixのねらいは?

 .NEXT 2026で驚きをもって迎えられたのが、NetAppとの戦略的提携だ。ここ数年のうちにEverpure(旧ピュア・ストレージ)などの外部ストレージ対応を強めてきたNutanixだが、今回はNetAppとの統合に至った。採用している企業数が多いだけに、日本企業にとっても朗報だろう。先述したように外部ストレージの選択肢を増やすことは、Nutanixがとる新たな戦略の一つだ。これはVMware環境からのマイグレーションを加速させる、現実的な一手ともなった。

 「多くのエンタープライズ企業は、既にNetAppという資産を保有しており、これまでの投資を活かしたいと考えている。われわれは、顧客に既存の資産を捨てさせるのではなく、NetAppを維持したままハイパーバイザーをNutanix AHVへと切り替える選択肢を用意した。これによって既存の環境を維持しつつ、Nutanixの運用モデルを享受できる『選択の自由』を提供する」(ラマスワミ氏)

Nutanix President & CEO ラジブ・ラマスワミ(Rajiv Ramaswami)氏
Nutanix President & CEO ラジブ・ラマスワミ(Rajiv Ramaswami)氏

 この戦略は、FlexPodなどの「VMware+NetApp」という構成を長年使いつづけてきた担当者にとって、モダナイゼーションの動機づけとなる。これまで蓄積してきたデータの移行という工数を短縮し、運用・管理部分をモダナイズできることは魅力的に映るはずだ。

 また、AI Factoryを支えるハードウェアのエコシステムにおいても、大きな動きがあった。2026年2月、AMDはNutanixに対して計2億5000万ドル(約380億円)におよぶ巨額の戦略的投資を発表している。その内訳は、1億5000万ドルの株式取得と、共同エンジニアリングおよび市場開拓などを支援するための最大1億ドルの資金拠出だ。AMDに最適化されたNutanixのAIスタックをエッジからクラウドまで稼働させるための「Agentic AIプラットフォーム」戦略を具現化し、エンタープライズ企業への実装を加速させたい狙いがある。

 ラマスワミ氏は、「現在、GPUの深刻な供給不足は、多くの企業にとってAI導入の最大のボトルネックとなっている。AMDのCPUおよび(Instinctシリーズなどの)GPUを搭載したLenovo ThinkSystemといったハードウェアをNutanixが最適化しながら提供することで、AIインフラの供給制約を打破できる。われわれは、顧客が特定のベンダーに縛られず、すぐにAIを実装するための有力な選択肢を提示する」と自信をのぞかせる。

 さらにパートナーである、Lenovoとの協業も新たなフェーズへと突入している。今回のイベントでは「Lenovo ThinkSystem with Nutanix」として、Lenovoの主力ラインであるThinkSystemへの対応がアナウンスされた。これはCiscoとNetAppとの提携による「FlexPod with Nutanix」と同様、Nutanixのメリットを享受するための選択肢を増やす動きだ。

 運用面での連携も拡充されており、Lenovoのサーバー管理機能とNutanixのライフサイクル管理を統合した「XC One automation」により、個別に実施していたファームウェア更新とAOSのアップデートをNutanixの管理画面からワンクリックで完結できる。加えて、今回の目玉であるAIインフラ戦略を支える技術として、ベアメタル向けのKubernetes基盤「NKP Metal」によってハードウェアとソフトウェアの連携も強化。これらを含めてDell TechnologiesやCiscoなどをNutanixに組み込んでいく戦略で、VMware買収騒動後の業界地位を盤石にする構えだ。

次のページ
「NKP Metal」によるベアメタル対応の意味 生産性を20%向上など、AIエージェント時代に適応へ

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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