Atlassian(アトラシアン)は、プロジェクト管理ツール「Jira」内で利用可能なコンテキスト認識型AIエージェント「Rovo Dev」の一般提供を開始した。
Rovo Devは、ソフトウェア開発チームの作業全体を理解しサポートするAIエージェント。このエージェントにより、開発チームはJira上の作業項目を起点として、計画立案からコード変更、テスト実行、プルリクエストの作成・レビューに至るまでを、IDEに移る前にJiraの中で一気通貫に進められるようになるとのことだ。抽象的な「AIで効率化」ではなく、日々の開発フローそのものをJira中心に組み立て直す取り組みだとしている。
同AIエージェントは、Atlassian Teamwork Graphを基盤に、ユーザーの組織やプロジェクト、目標を把握した上で、Jira、Confluence、Bitbucket、Jira Service Managementなどのツールを横断的に連携するという。
また、コードだけでなく、ビジネスの背景やドキュメント、チケット、コードの履歴なども統合し、開発者が常に全体像を把握できるようにするとのことだ。2025年10月にCLI(コマンドラインインターフェース)版の提供が開始されたが、今回、Jira上からRovo Devを直接実行する機能が追加された。
Jiraのワークアイテムに含まれる要件や過去の経緯をもとに、具体的な実行プランを生成し、その承認後は、安全なクラウドサンドボックスでコード変更とテストを行い、レビュー可能なプルリクエストとしてJiraのワークアイテムに結び付ける「Jira起点の現実的な開発ワークフロー」を実現すると述べている。
これにより、ソフトウェア開発チームは以下のようなメリットを享受することが可能になるとのことだ。
コンテキストスイッチの削減による生産性向上
これまで計画はJiraで、実装はIDE(統合開発環境)、リポジトリやプルリクエストはGitHubやBitBucketなど、複数のツールを行き来していた作業が、JiraからRovo Devを起動するだけで可能に。「ワークアイテムを開く → Rovo Devを起動 → 完了したらPRを確認」という流れがJira内部で完結するため、開発者は、より難易度の高い設計やレビューなどに集中しやすくなるという。「ワークアイテムからPRまで」の実務フローを途切れさせずに進められるため、コンテキストスイッチをさらに抑制できるとしている。
チーム全体で成果を追跡し共有
作業の起点と成果物(PRなど)がJiraのワークアイテムと紐付き、Rovo Devの計画や進捗もJira側で可視化されるとのこと。プロダクトマネージャーやデザイナーなどの非エンジニアも、いつも使っているJiraのワークアイテム画面から、AIがどんな変更を行ったかを把握できるという。
並行実行・自動化によるスループット向上
Jiraのバックログから複数のワークアイテムに対してRovo Devセッションを立ち上げ、バグ修正、テスト追加、フラグ削除といった作業をAIに実行させる。また、Jiraの自動化機能を使えば、「特定タイプのワークアイテムが作成されたらRovo Devを自動起動」といったルールを作って運用することも可能とのことだ。
安全な環境での実行とガバナンス
Rovo Devは、選択したリポジトリを安全なクラウドサンドボックス環境にクローンして処理し、テストや検証もその中で実行するという。また、実行権限は「セッションを開始したユーザーの権限」に制限され、PRのマージは人間がレビューして行うため、品質・セキュリティ・コンプライアンスの観点で統制しやすくなるとしている。
加えて、AIに丸投げではなく、開発者がハンドルを握る前提でJiraを中心に実際の開発ワークフローを広げられる点が、Rovo DevのJira対応における大きな特徴だと述べている。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
