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NutanixはHCIからプラットフォーマーへ 年次イベントで示したVMware買収騒動後の新戦略

インフラの「自由」を定義するNutanix、AIを起点とした全方位戦略を強める


「NKP Metal」によるベアメタル対応の意味 生産性を20%向上など、AIエージェント時代に適応へ

 .NEXT 2026において、高い関心を集めていたのがNutanix Kubernetes Platform(NKP)における「NKP Metal」の発表だ。なぜNutanixは、同社独自のハイパーバイザー(AHV)を介さず、物理サーバー上で直接Kubernetesを稼働させるベアメタル対応に踏み切ったのか。その答えは、先述したAI Factory戦略の実現にある。

 大規模なAI推論や学習、特に高密度GPUを要する環境では、わずかなオーバーヘッドも許されない。今回発表された「NKP Metal」では、物理リソースのパフォーマンスを100%引き出しつつ、Nutanixが得意とするスナップショットやディザスタリカバリといったデータサービスを、仮想環境と同じように提供できる。ラマスワミ氏が強調するのは、インフラの「一貫性」だ。仮想環境か、それとも物理環境かという従来的な対立を超えて、ユーザーがそれらを意識することなく、単一の運用モデルで扱える環境を提示すること。それこそが、NutanixがAI Factory戦略で目指すインフラモデルだ。

 AIの社会実装についても、Nutanixは自ら試行するカスタマーゼロとしての成果を示している。自社の開発環境にAgentic AIを先行導入した結果、開発者一人あたりの生産性が20%向上したという。ラマスワミ氏は「AIは単なる技術ではなく、実利をもたらすツールだ」と説き、その知見を製品へとフィードバックしているとする。

 こうしたAIアプリケーションを支えるため、Nutanixが新たに提示したのは「AIゲートウェイ」を中心としたガバナンス機能だ。

 たとえば、組織として認可されていないAIを業務利用する「シャドーAI」の横行は、日本企業においても散見される。利便性を優先するあまり、機密情報や顧客データが外部のLLMへと流出してしまうリスクは、決して無視できない。一方、単に利用を禁止するだけでは、開発生産性の低下を招き、企業が競争力を失うことにもつながる。

 そこで、Nutanixが力を入れているのがAIゲートウェイというわけだ。昨今、同様のアプローチをとるベンダーは増えている。企業が許可した複数のAIモデルへの入口をAIゲートウェイとして設けることで、開発者はAPIキーの管理や煩雑な設定から解放され、管理者側はコストの可視化やトークン使用量の制限、さらにはプロンプトに含まれる機密情報の自動検知なども一元的に設定可能だ。

 このようにAI時代に適したアプローチを模索するNutanix、ラマスワミ氏は「われわれが提示するのは、HCIという単なる製品ではない。不透明な市場環境において、顧客が特定のベンダーに縛られることなく、今後10年、20年とインフラの主導権を握りつづけられる『真に自由なプラットフォーム』を確立することだ」と総括した。

 あらゆる環境をNutanixで統合管理していき、AI時代の“インフラOS”としての地位を確立できるか。.NEXT 2026で示された新たな戦略の行方には、市場からも注目が集まるだろう。

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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