博士号兼3大クラウド資格全冠エンジニアが語る、トップガンITアーキテクトへの道のり
ITアーキテクトに求められる、新たなキャリア戦略とは
博士号×3大クラウド全冠×実務経験:三位一体のキャリア戦略
私のキャリアにおけるもう1つの特徴は、学術界と産業界の両方に深く関わっていることです。
博士号をもつことで、数理最適化という次世代技術の理論を理解しました。これは、生成AIの次に来る技術トレンドを先取りするための強力な武器となります。また、3大クラウドの資格を全冠することが現在主流の技術(クラウド、データ、AI)の実装力につながり、即戦力としてビジネス成果につながっています。
その上で、NTT西日本での実案件経験により、大手企業特有の制約条件(セキュリティ、既存システム連携、多数の事業部門の要件への対応など)の中で成果を出すノウハウも培ってきました。
この三位一体のキャリアこそが「他者に模倣されないオンリーワンのアーキテクチャ」を生み出すための源泉となっています。
たとえば、学術界のネットワークからは最新の研究動向、まだ実用化されていない技術のシーズ情報が入ってきます。産業界のネットワークからは、他社の取り組みやビジネストレンドを得ることができ、これらを組み合せることで「3年後に求められる技術を、今から準備する」ことができるようになりました。
専門性を磨き続けた先に見えた景色
現代のITアーキテクトが直面する最大の課題は、技術選択肢の爆発的増加です。
20年前であれば、データベースを選ぶ際の選択肢は数種類でした。しかし現在は、リレーショナルデータベース、NoSQLデータベース、データウェアハウス、データレイクなど、用途別に数十種類のサービスがあります。クラウドサービス全体で見れば、500種類以上のサービスから選択する必要に迫られているのです。
この膨大な選択肢の中から、ビジネス要件への適合、技術的実現可能性、コスト最適化、運用性、拡張性、セキュリティといった観点で、最適な組み合せを導き出すことがITアーキテクトの役割です。
これらの観点を総合的に判断するためには、各技術の表面的な知識だけでは不十分です。実際に手を動かして構築した経験、トラブルシューティングの経験、本番運用の経験など、これらの「深い理解と実践力」が必要です。
私が200個以上の資格を取得したのは、各資格の学習過程でその技術の深い理解を得ることが目的です。また、ベンダー各社から表彰されることで最新情報へのアクセス、技術サポートの優先提供、ベータ版の先行利用といった特典も得られました。これによりさらに深い技術理解と、最新トレンドのキャッチアップが可能になります。
実際にジョブローテーションの伝統から離れ、専門性を磨きつづける道を選んだことは、数十億円規模の成果へとつながりました。これは次回紹介しようと思います。
次回予告
第2回では、磨いた専門性を武器に、具体的にどのようなデータ活用基盤を構築し、数十億円規模のコスト削減を実現したのか。そのアーキテクチャの詳細、構築に至るまでの経緯をお伝えします。特に「利便性・コスト優位性・セキュリティ」を兼ね備えた、前例のないアーキテクチャとはどのようなものか。そして、NTT東西の共同利用化という、組織を超えた意思決定をどのように実現したのか、詳しく解説します。
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高須賀 将秀(タカスカ マサヒデ)
博士(情報学)。2012年に修士号を取得した後、NTT西日本株式会社に就職。プライベートクラウド基盤やアプリケーション開発を経験した後、様々な技術(NW、サーバ、クラウド、プログラミング)を組合せることで、データ活用を推進するためのプラットフォームを運営。2019年から社会人ドクターとして研究活動を...
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