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データブリックス・ジャパン、7月に新丸の内ビルに移転へ──イオンや東京ガスがAI活用の効果報告

 2026年5月27日、データブリックス・ジャパンは、事業戦略説明会を開催した。

(左から)データブリックス・ジャパン株式会社 代表取締役社長 笹俊文氏、データブリックス・ジャパン株式会社 フィールドエンジニアリング本部長 佐藤聖規氏、イオン株式会社 プリンシパルデータサイエンティスト 趙堃氏、東京ガス株式会社 DX推進部 データ活用推進グループ グループマネージャー 笹谷俊徳氏
(左から)データブリックス・ジャパン株式会社 代表取締役社長 笹俊文氏
同社 フィールドエンジニアリング本部長 佐藤聖規氏
イオン株式会社 プリンシパルデータサイエンティスト 趙堃氏
東京ガス株式会社 DX推進部 データ活用推進グループ グループマネージャー 笹谷俊徳氏

 米Databricksの年間売上ランレートは54億ドル、前年度比成長率は65%超と業績は伸長しており、評価額は1340億ドルに達している。日本法人でも第1四半期の成長率が前年同期比100%超と伸長しており、従業員規模を200名まで拡大していく方針だ。これにともない日本法人の新たなオフィスを新丸の内ビルディングに構える。移転は、2026年7月に予定されているとのことだ。

 データブリックス・ジャパン 代表取締役社長 笹俊文氏は、「これまでと変わらず、データとAIが主戦場だ。ただし、3年前を振り返るとデータプロジェクトとAIプロジェクトが若干分かれて進んでいた。競争優位性を築くためには自社のデータを整備しなければならず、AI-Readyなプラットフォームが必要だ。データブリックス・ジャパンでは、この1年間で多くの企業を支援してきた」と述べる。

 AIの活用においては、データのサイロ化が阻害要因となっているケースが多く、基幹システムとSaaSに散在するデータをいかに統合していくべきか。多くの企業は、同様の課題を解消するため、取り組みを進めているという。また、どのデータを誰が使ってよいのかという、セキュリティポリシーの設定・運用にも課題が生じている。データブリックスでは、これまでの製品・ソリューション展開に加えて、サーバレスのPostgresである「Lakebase」と対話型AI「Genie」の展開を進めている。

 データブリックス・ジャパン 佐藤聖規氏は、「アプリケーションがステートレス、サーバーレス、そしてインテリジェントへと進化していく中、従来型のモノリシックなデータベースでは課題が山積したままだ。コンピュート層とストレージ層が分離しているLakebaseならば、ニーズに応えられる」と説明。現在、日本での一般提供は準備段階だ。また、Genieはビジネス部門の利用を想定したもので、ポリシーを効かせながら自然言語でデータを分析可能だとする。さらにデータサイエンティストやデータエンジニアなどには「Genie Code」の提供でサポートしていくとした。同サービスは、既に日本でも一般提供が開始されている。

 このGenieを活用している企業の一つがイオンであり、説明会には同社 プリンシパルデータサイエンティスト 趙堃氏が登壇した。イオンでは、社内向けの業務特化型AI、顧客向けのAIエージェントの大きく2軸でAIエージェント戦略を推進している。データ分析に係る課題を解決するために「DIC QueryVision」という、SQLの知識がなくとも必要なデータを分析可能な独自ツールを開発。同ツールは、スーパーバイザー(管理者)の役割を担うエージェントが問い合わせの実行可否を別のエージェントに判断を仰ぎ、問題なければデータ抽出を担うエージェントがDatabricksからデータなどを取得してくるような仕組みだ。ユーザーが可視化する様式などを選択でき、もしも自然言語での質問に揺らぎがあったり、時間がかかったりする場合、適切なSQLの生成を導いたり、トークン消費などの消耗を防いだりするような注意を促す。

 また、顧客向けAIエージェントの一つである「お買い物エージェント」では、パーソナライズされた情報提供などを担う。Databricksで管理されている購買データなどから適切なものをGenie経由で抽出・分析する。たとえば、ユーザーが「カレーを作りたい」と問いかけると、近くの店舗や必要な材料などに加えて、誕生日などが近い場合には豪華な食材も提案するなど、個別最適化された顧客体験を届けるとのことだ。

 説明会には東京ガスもユーザー事例として登壇。同社では、1980年代以前からデータ分析組織を擁しており、「稼ぎに繋がるAI活用」を全社方針としてガバナンス強化とあわせてAIのビジネス実装を推進している。同社 DX推進部の笹谷俊徳氏は、「Databricksを採用した分散型データ基盤を構築しており、本格稼働してから約1年が経過した」と話す。

 顧客にあわせた最適な提案・マーケティング活動を行うためのAIモデル群などをスクラッチ開発していた同社は、Databricks上に再構築。データの加工から可視化まで、従来別々のツールを使っていたところ、Databricksを採用したことでシームレスにつながるようになったという。「体感で、開発から実装までのリードタイムが1桁は変わった」と笹谷氏。今、同社では人事データの活用にも乗り出しており、社員のキャリア相談にのってくれる「キャリアアドバイザーAI」、タレントマネジメントの一機能として「最適タレント検索」などを開発している。DatabricksのUnityCatalogを用いて権限管理を行っており、メンテナンスを含めて同一プラットフォーム上で完結できる利便性は高いとした。

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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