「全ての企業」のインフラがAIについていけなくなる……Ciscoの新発表は打開の有効策となるか?
AIエージェントの“大食い”に耐えられるインフラ/ポスト・ミュトス時代のセキュリティ/運用体験のパラダイムシフト
複雑化の一途をたどるIT環境……だからこそ「運用」は徹底的にシンプルであるべき
最後のテーマは、「運用の根本的な再定義」についてだ。超大規模な製品ポートフォリオを持つCiscoだが、それらの運用は徹底的にシンプルでなければならない。
同社は運用を再定義するにあたり、以下3つの設計構築を念頭に置いたという。
- Cisco製品の豊かさや高度な機能を損なうことなくシンプルさを提供する
- リアルタイムかつ自律的に動作する(エージェント・スピード)
- 多くのプレイヤーと強調できるオープンなエコシステムを活用する
これらを体現した製品が、今年のCisco Live!の目玉発表となった。「Cisco Cloud Control」だ。ハードウェアからソフトウェアまで、これまでのCisco製品すべてが、このプラットフォームから一元管理できるようになった。米国では既に提供が開始されている。
これにより、たとえばトラブルシューティングやデバッグにおいて、ドメインをまたいだテレメトリを相関分析できるようになった。ネットワークの構成やエンドユーザーに問題が発生した際、ネットワークとセキュリティ両方のドメインデータを組み合わせることで、即座にインサイトを得られる。
また、Ciscoがネットワーク向け、セキュリティ向け、時系列データ向けなどそれぞれの目的別に独自開発したAIモデルにより、運用はすべてAIベースで自動化されていくという。加えて、ユーザー組織の環境全体を監視し、人間の代わりに働くAIエージェント群もこのプラットフォーム上に実装されている。もちろん、Splunkのオブザーバビリティも集約されている。
これにより何が可能となるか。ユーザーは、データセンターから社内の各デバイスまで、フルスタック・インフラ全体の運用・セキュリティ・オブザーバビリティを単一のプラットフォーム、1つの画面で管理できるようになる。ハードウェア(Ciscoはオフィス向けデバイス製品も手掛けている)からソフトウェアまで、すべての環境がネットワークでつながり、1つのソリューションで管理できる世界が実現するというわけだ。
さらには、エージェンティックIT運用プラットフォーム「Cisco IQ」も発表されている。セキュリティ上の脆弱性やコンプライアンス違反などを事前に予測し、先手を打つ形でリスクを防止・軽減できるほか、トラブルシューティングをAIがアシストしたり、IT資産のサポート終了などといったライフサイクル管理を自動化したりできる。こちらも単一の画面ですべてコントロールできる点が特徴だ。ミッションクリティカルのニーズに応えるため、SaaS型だけでなくオンプレミス環境にも対応するとのこと。Cisco Cloud Controlは一元運用コンソール、Cisco IQはそれと連携・統合されたアプリケーションレイヤーという位置づけになる。
シリコンからセキュリティまで、フルスタック・インフラ内のハード/ソフト両面で製品を手掛けるCiscoが今回のCisco Live!で掲げた構想……。これらすべてを知ることで、AI時代に必要となるインフラ環境の全貌をイメージしやすくなるのではないだろうか。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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