パナソニック コネクト/NTTドコモに見る、Snowflakeを駆使した“AI現場実装”の最先端
「Snowflake Summit 26」現地インタビューで見えた、両社に共通する成功のカギ
NTTドコモ:AIがBIを置き換える? 民主化に向けた地道なデータ整備
パナソニック コネクトに加え、現場のAI活用を先進的に進めているのがNTTドコモだ。同社は、1億を超える顧客IDを抱える「dポイント」をベースとしたデータ基盤を運用している。同社 情報システム部 データ基盤担当 担当部長の日影浩隆氏は「2021年頃からSnowflakeの利用を本格化させ、現在は最大約2万人規模の社内ユーザーが日常的にダッシュボードを参照する文化が定着している」と現在の活用状況を語る。
同社が現在取り組んでいるのが、AIを活用したデータ分析手法の変革だ。従来のダッシュボードを用いたデータ分析では、グラフの数値が変動した場合にその理由を人間が深掘りする必要があったが、同社はこれをAIに置き換える取り組みを進めている。
同部の杉野創氏は「数字やグラフを見て『下がっているな』で終わるのではなく、『なぜ下がっているのか』『どうすべきか』を分析するスキルをAIが穴埋めしてくれる」とその価値を強調する。自然言語で問いかけるだけで、AIが数値変動の理由や改善提案までを提示する仕組みの構築を目指している。
このAIによる分析の高度化を根底で支えているのが、セマンティックビューによるデータの意味付けである。同社では、AIにデータを正しく解釈させるために、システムに入力される段階で「ahamoの契約者」というコードや「男性」を表すフラグなどを定義し、基盤側に学習させる地道なデータ整備行っているという。
活用を深化させる「セマンティックの整備」
さらに、データがどのようなビジネス指標で使われるかという利用側の文脈もセマンティック層として整備していると杉野氏。「多くの指標から自身の業務に合った文脈を選択するのは容易ではないが、AIがその選択プロセスを自動化してくれることに期待している」と語り、専門スキルを持たない担当者でも自然言語で容易にデータ抽出やターゲット選定が可能になりつつあることを示した。
また、AIはデータの分析だけでなく、データ基盤の開発そのものにも変革をもたらしている。他のシステムから取り込んだデータをビジネスユーザー向けに成形する際、従来は人間が設計書を用意し、プログラミング言語に変換してテストする必要があり、多大な工数がかかっていた。
同部の森田悠太郎氏は、Cortex AIを用いてこのプロセスを一気通貫で行う試みを進めており、開発時間を約10分の1に削減できる見込みだという。「人手からAIに変わることで品質のブレがなくなり、実行されたSQLコードの根拠もトレース可能になるため、透明性が大きく向上した」とそのメリットを述べた。杉野氏も「我々が今まで積み重ねてきたデータ基盤を、AIが直接見て理解してくれることが最大のメリットだ」と付け加える。
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