パナソニック コネクト/NTTドコモに見る、Snowflakeを駆使した“AI現場実装”の最先端
「Snowflake Summit 26」現地インタビューで見えた、両社に共通する成功のカギ
パナソニック コネクトCIOが率いた「AIが活きる」組織への変革
パナソニック コネクトでCIOを務める河野昭彦氏は、「データ基盤の構築には多大な時間とコストがかかるため、投資効率が極めて重要になる」と述べる。すべての部署に均等にサービスを提供する発想ではリソースが枯渇してしまうため、全体へのレバレッジが効く領域に注力し、経営層と連携して推進したという。
その結果として、数年の歳月をかけて全部門のデータベースとツールの統一を成し遂げた。また、クラウド専任の技術者が不在だった導入当時において、SQL(Structured Query Language)のみで操作できる圧倒的な使いやすさがSnowflake選定の決め手になったという。
Tim Long氏(Global Head of Manufacturing, Snowflake)
パナソニック コネクト株式会社 IT・デジタル推進本部 データアーキテクトマネージャー 渡邉勇太氏
同 IT・デジタル推進本部 デザイン&マーケティング本部 AI&Data プラットフォーム部 シニアマネージャー マーケティングIT総括担当 向野孔己氏
AI活用の成功を左右する大きなポイントの一つとして、よく挙げられるのが「IT部門が担う役割」だ。河野氏は業務要件を決めてベンダーに丸投げする“手配師”になりがちという課題を指摘。同社ではその体制から脱却すべく、IT部門自らがコードを書き、手を動かすチームの構築を進めているという。「テクノロジーの進化は早いが、それにフィットできる組織を作ることが重要。ベンダーと対等なパートナーとして取り組める体制が不可欠だ」と語る。
実際に今回のAI導入において、同社は現場から要請を受けてダッシュボードを作成する“御用聞き”の姿勢を変革することに取り組んでいる。IT部門自らが早期にプロトタイプを提示し、ビジネス部門と共に問題を解決するパートナーとして伴走することで、現場の意識を変えていったのだ。渡邉氏は「現場の担当者全員が新しい技術の活用に積極的とは限らないため、実際に動くプロトタイプを早期に提示することで、少しずつ意識を変えるように工夫した」と語る。
今後の展望として同社は、個別の業務課題に対する“点の改善”にとどまっているところを、将来的には複数の業務プロセスを横断した“面での改善”を目指すという。河野氏は「AIやデータ活用の投資はPL(損益計算書)に直接ヒットしにくいという声もあるが、日本の労働人口が減少していく中で、今手を打っておかなければ将来的に工数を維持できなくなる」と述べ、AI活用による自動化が不可避であることを強調する。
同社では、AI活用によって生み出された余剰の時間で新たな価値創造の基盤を築くため、実力とチャレンジが評価されるカルチャーへの変革も進めており、“技術と組織の両輪での進化”が成長のカギとなることを示した。
この記事は参考になりましたか?
- DB Press連載記事一覧
-
- パナソニック コネクト/NTTドコモに見る、Snowflakeを駆使した“AI現場実装”の...
- サミットの小売りDXを加速させるDB戦略──「ラフに扱っても止まらない」TiDBで実現した...
- Snowflakeが年次サミットで示したエージェント“司令塔”の価値──AI暴走の懸念にど...
- この記事の著者
-
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
