クラウド時代の企業情報システムを語る
「ウイングアーク・フォーラム2010 in 東京」は、「次の10年を帳票・BIから考える。クラウド時代の現実解と現場の課題解決」をテーマに、帳票ソリューション「SVF」とBIソリューション「Dr.Sum EA」について、新製品紹介から導入事例紹介など3トラックに12セッションが展開された。
それに先だって、キーノートとして、「クラウド・キープレイヤーミーティング:動き始めたクラウド--企業情報システム部門はどう動きべきか?」というパネルディスカッションが実施された。
アマゾン、セールスフォース・ドットコム、マイクロソフトといったサービス提供者側とユーザー企業側からもパネリストが出席して、クラウド化の流れの中の企業の情報システム像について意見が交わされた。その後、ウイングアークからもクラウドに対する方向性や方針の発表があった。
「帳票クラウド」をデモをまじえて提示
キーノートの内容を受けるかたちで、開催されたのは「本日発表「帳票クラウド」の全貌--クラウド環境下での帳票運用モデルとは?」というセッション。SVFのクラウドでの展開イメージを伝えるものだった。
ウイングアークテクノロジーズSVF戦略室長の谷口功氏から概要が発表されるとともに、同社の松下信一氏によるデモンストレーションが行われた。
谷口氏の講演は、今年で15周年を迎えたSVFの歩みを振り返ることからはじまった。1970年代から80年代のメインフレームによるホストコンピューティング時代。その時代は、帳票は専門家のみが可能で、開発コストが高かった。
1980年代から90年代は、PCの時代。分散処理でそれぞれの情報処理をPCでこなすようになり、SVFで帳票開発が誰でも行えるようになった。
1990年代から2000年代はWebの時代。インターネットが電気や水道、ガスのようなインフラになった。さらに、2000年代から2010年代は、クラウドコンピューティングの時代。システムリソースの不足とコスト増を解消するIaaSやPaaSなどのクラウドサービスが登場した。ウイングアークは、クラウド向けにソフトウェアを進化させる、としている。
現在、クラウドは盛り上がっているが本当の普及には数年がかかるだろう。SVFは、統合帳票基盤をめざす展開の中で、帳票システムのクラウド対応も行う、と語った。
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