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IT人材育成の危機を超えて~ITSS/UISSスキル標準への手引き

ITSS/UISS/ETSS~3つのスキル標準の今後の展開

第7回


 IT業界で、どのように人材を育成すればよいか、あるいは、自らどのようにスキルアップしていくか、今まで棚上げにしてきた課題を重く受け止め、克服して行く努力と使命感が必要になっています。

ITSS/UISS/ETSS~それぞれの異なる視点

 スキル標準としてエンタープライズ系ITSS V2、UISS、組込み系ETSSが並列で存在しています。この状態は活用側にとって必ずしもいい状況ではないかもしれません。しかし、客観的に見てみると、それぞれの視点が異なることに気づきます。誤解を恐れずに書くと、実質的な目的は次のように考えられます。

  • ITSS V2

     エンタープライズ系エンジニアの将来像をデザインできる仕組みを提供し、キャリアデザインを促進する目的。

  • ETSS

     組込み系エンジニアの不足から、その育成、スキルアップを目指し、エンジニアを確保することが当面の目的。

  • UISS

     ユーザー企業の中でのIT部門のあるべき姿をモデル化し、ビジネス目標達成のためのIT戦略を実現することが目的。

 考えてみれば、ITSSが先行して発表され、まるでIT業界のルールのようなイメージで、活用への試行錯誤が続いたと言えます。エンジニアの育成だけでなく、人材調達の話も並行して話題に上り、的を絞りきれなかった感がぬぐえません。ユーザー企業を巻き込めていない限り、人材調達といってもITサービス企業間に限定されたものになってしまいます。

 次に登場したETSSは、まさしくシステム開発手順そのものを主体とし、それを元に必要な職種・スキルを定義したものです。IT業界は、この理解しやすい自然な構造を、高い評価で受け入れました。しかし、分かりやすい代わりに、システム開発工程を中心としているために、将来像が描きにくく、キャリアパスがデザインしにくいものとなっています。

 一歩引いてそれぞれを見ると、双方の共通点は多く、組込みエンジニア向けと言っても、ITSSと別に持つことに大きなメリットは生まれないと考えられます。それよりも統合して活用方法を明確にする方が、エンジニアにとっては有効なものとなるに違いありません。

 次にUISSが発表されて、さらにそれぞれの目的や位置づけが明確になりました。ITSSやETSSはIT業界という単一の業界に属すITサービス企業が活用し、UISSはそれぞれ業界が異なるユーザー企業のIT部門が活用することになります。つまり、一つの業界内での共通化は、価値基準や人材の流動性を考えても意味がありますが、別業界であるとビジネスモデルは異なり、同じ職種や専門分野で共通化する意味合いが薄まるのは当然のことです。

 今までの経緯から3種類のスキル標準を簡単には統合できませんが、次の図のようにスキルディクショナリを本当の意味での「ディクショナリ」に持って行くことができれば、共通化や構造化に大きな役目を果たすことができるでしょう。

スキルディクショナリを核とした統合
スキルディクショナリを核とした統合

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プロジェクトマネージャと人材育成

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この記事の著者

高橋 秀典(タカハシ ヒデノリ)

株式会社スキルスタンダード研究所 代表取締役。1993年日本オラクル入社。研修ビジネス責任者としてオラクルマスター制度を確立させ、システム・エンジニア統括・執行役員を経て2003年12月にITSSユーザー協会を設立。翌年7月にITSSやUISSを企業で活用するためのコンサルティングサービスを提供するスキルスタンダード研究所を設立。ファイザー、リクルート、アフラック、プロミス、ヤンセンファーマなどのコンサルティングの成功で有名。ITSSやUISS策定などIT人材育成関係の委員会委員を歴任し、2006年5月にIPA賞人材育成部門受...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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