急速に増えていくデータをいかに効率的に、そして、いかに戦略的に活用していくのか? 技術雑誌の一つのトピックでしかなかったこの問いは今年に入り「ビッグデータ」という言葉として一般紙にも登場するようになりました。ITベンダー各社がビッグデータに対する施策を打ち出していく中、企業向けストレージベンダーであったEMCが提示した一つの答えは昨年7月に発表された、大容量データの高速解析を得意とするリレーショナルデータベース(以下、RDB) GreenplumDBとその開発元であるGreenplum社の買収でした。ここでは今後6回の連載を通して読者の皆様にそのGreenplumDBがどのようなものであるのかについて紹介をしていきます。
連載第1回目の今回は、GreenplumDB開発の背景や特徴についてご紹介いたしましょう。
Greenplumの生い立ち
Greenplum社は、2003年アメリカのシリコンバレーにて2人の創業者によって設立されました。1人は日系のIT起業家スコット・ヤラ、そして、もう1人はハイパフォーマンスコンピューティング分野の科学者ルーク・ロナガンです。
設立後 Greenplum社は、後のGreenplumDBとなるRDBを「Bizgres MPP」という名前でリリースします。その後、2008年1月にベンチャーキャピタルやITベンダーからの出資を受け、本格的な海外進出を展開。そして、その2年後EMC社による買収と、そして、データコンピューティング事業本部としての活動が始まりました。
日本においては2007年8月からサン・マイクロシステムズ社と共同のビジネス展開に始まり、2008年10月の東京エレクトロン社(現東京エレクトロンデバイス社)との販売代理店契約の締結と2010年9月のデータコンピューティング事業本部発足により一層ビジネスが加速してきています。