本邦初! ビッグデータビジネスをまとめた書籍が11/8に発売
IT以外のニュースにはまるっきり疎く、世間の話題についていけないことが多いワタクシですが、そんな人間でもTPPとアマゾンの"黒船来航"騒ぎは嫌でも耳に入ってくるというもの。以前、有名な劇作家の方にインタビューさせていただいたときに、「悲しいけど日本は外圧がなければ何も変わらない国」とおっしゃられていたことをふと思い出しました。結果がどう転ぶにしろ、「変わらない」ことを選択しつづけるというのはなかなか難しい情勢になってきたようです。
さて、データベース業界のほうに目を移してみると、この10月はまさに"ビッグデータ旋風"とでも言うべき状況でした。ただこのビッグデータという言葉、IT業界の中でも使われ方や普及の度合いに温度差がだいぶあるなあ…というのが正直な印象です。メディア側はどうしても「いまビッグデータがキテる!」的な報道になりがちですが、一般のSIerの方々とお話すると「ビッグデータ? それって大きなデータセンターのこと???」的な反応が返ってくることが少なからずあり、うーん、ビッグデータがクラウドのような市民権を得るにはまだ時間がかかるのかもしれない…と思ったり。
そんな中、ビッグデータにまつわるビジネスをわかりやすく紹介した書籍が翔泳社より今週発売されます。野村総合研究所の鈴木良介氏による『ビッグデータビジネスの時代』がそれ。ビッグデータとは何かにはじまり、現在の業界のメインプレーヤーの立ち位置や、ビッグデータビジネスが世の中にもたらす価値について、詳細に書かれています。たぶん日本ではじめてビッグデータについて体系的にまとめられた書籍ではないでしょうか。DB Onlineの読者の皆様にはぜひともおススメしたい一冊です。私もこれから拝読します!
OSS NoSQLの期待のバージョン「Neo4j」
ビッグデータを支える技術のひとつに、SQLをもたないNoSQLデータベースがあります。オープンソースで開発されているプロジェクトも多く、MongoDB、Cassandraなどが有名です。
今回ご紹介するのはNoSQLのグラフデーターベースである「Neo4j」です。米国のスタートアップ企業Neo Technologyが開発元で、10月25日に新バージョンとなる「Spring Data Neo4j 2.0」をリリースしました。
NoSQLと聞くと、キーバリューストア(KVS)型か、MongoDBのようなドキュメント指向、またはCassandraのようにBigTableの実装を思い浮かべますが、Neo4jはそのいずれにもあてはまらないグラフデータモデルを採用しています。グラフデータモデルは、RDBMSでは表現しにくい再帰的構造やネットワーク構造を扱いやすいため、ソーシャルデータやマルチメディアデータの処理がスケールしやすくなると言われています。RDBMSと異なり、ノードの移行時、インデックスなしでトラバースできるため、高いパフォーマンスが維持できるという特徴もあります。
Javaで書かれているNeo4jですが、動作環境のミドルウェアにはJavaを必要としないようです。ソーシャルメディアの台頭とともに、これからの普及が楽しみなNoSQLです。