国内最大級の仮想化&クラウドの年次カンファレンス「vForum 2011」が開催
11月8日、ヴイエムウェアは国内最大級の仮想化&クラウドコンピューティングの年次カンファレンス「vForum 2011」を都内で開催した。基調講演では、ヴイエムウェアの三木泰雄社長と米VMware社のリック・ジャクソン最高マーケティング責任者が「Your Cloud.で拡げるビジネスの可能性」と題した講演を行った。
登壇した三木氏は、災害対策を含めたビジネス継続性、電力問題や環境問題、グローバル化の加速とガバナンスの強化、サプライチェーンの見直しなど、国内のビジネスを取り巻く環境が大きく変化していることを挙げ、こうした社会変化に素早く対応していく必要性を語る。
また、ITの環境においても、クラウドの利用やスマートフォンやタブレットPCなどの活用ニーズがユーザー側から強く求められてきている中で、「新しいITの環境やビジネス環境に対応していくためには、インフラそのものを変革していく必要がある」と三木氏は強調した。
同社では、変革に対応するための最終ゴールとして、ITをサービスのように利用できる「IT as a Service」を掲げる。この「IT as a Service」を実現するためには、「既成のクラウドにユーザーが合わせるのではなく、それぞれの企業のビジネス環境やニーズに合わせた最適なクラウドを構築すること、すなわち『Your Cloud』を実現する必要がある」と三木氏。同社では、その「Your Cloud」を実現するためのクラウドインフラの構築を、パートナーと連携し高い技術力とビジネスソリューションで顧客の固有の環境に応じて対応していくとした。
続く講演では、米VMwareのリック・ジャクソン最高マーケティング責任者が登壇。リック氏は「ヴイエムウェアは、仮想化のグローバルリーダー。そして、コスト効果の高いイノベーションを生み出し、新しいことへ常にチャレンジを続けている。ヴイエムウェアは、ITの変革の中心にいる企業」と同社を紹介した。
また、リック氏はビジネス環境やIT環境に大きな変革が起きている中で、「クライアントサーバの時代のアーキテクチャーでは、新しい時代の果実を享受することはできない。目的に沿った形で構築されたアーキテクチャーが必要だ。つまり、ITのサービスを複数のソースと複数のローケーションから提供し、ユーザーにとって意味のある環境を、いつでも、どこでも、どのデバイスでも利用できるサービスを提供するということ、つまり抜本的にITの変革を図る必要がある」とIT as a Serviceの意義を強調した。
こうしたヴイエムウェアが注力するのは次の3つの分野だとしている。1つ目に、インフラストラクチャー。柔軟性、拡張性、効率性に優れた、すべてのアプリケーションのためのインフラストラクチャーを構築すること。2つ目に、アプリケーションのプラットフォームの提供し、最新のアプリケーションの市場投入までの時間を短縮すること。3つ目にコラボレーションのためのプラットフォームを提供すること、モバイルワーカーに生産性と安全性を付与すること、の3つの分野を挙げた。
リック氏は、ヴイエムウェアでは、ITの変革の実現に向けて、「クラウド、インフラストラクチャー、管理、アプリケーションプラットフォーム、エンドユーザーコンピューティング等すべての分野においてしっかり対応していく。我々は、新しい時代の果実を享受するための顧客の旅路をしっかり前に進めることができる」と力強く語り講演を結んだ。
「vForum 2011」は、両氏の基調講演を皮切りに、楽天や秋田県横手市などの国内のユーザー事例講演、ヴイエムウェアの展開する仮想化やクラウドに関する最新プロダクトやソリューション講演、40社以上のパートナー各社によるソリューション展示など多様なセッション構成で、明日までの2日間盛大に開催される。