プラス成長を維持した国内企業のIT投資
株式会社アイ・ティ・アールが国内企業を対象に2011年9月から10月にかけておこなった国内IT投資動向調査の結果が発表された。
本調査では、まず、企業のIT予算に関する2011年度(2011年4月~2012年3月)の実績と、来る2012年度(2012年4月~2013年3月)の見通しについて、アンケート調査をおこない国内企業553社から有効回答を得たという。以下その内容を紹介する。グラフに関するコメントは、ITRが28日に行った発表会での内容とシニア・アナリスト舘野真人氏のコメントにもとづく。
2011年度は全体としては、若干のプラス成長。2012年度に向けた予想では、IT予算の増額を見込む企業の割合が23.4%と下降する一方、減額を見込む企業も減少しており、総合的に見れば、2011年度と同じ横ばい状況か、やや上回る水準でのプラス成長となる。
このIT予算の増減傾向を指数化した「IT投資指数」で見ると、2011年度の実績値は2010年度に記録した0.04から若干上向き、0.60。1年前の予測は下回ったが、震災後の経済の混乱を考慮すれば、わずかとはいえプラス成長となったことは重要。しかし、2012年度に向けた予想では0.83と小幅な上昇にとどまっており、今後の国内企業のIT投資が低成長で推移することをうかがわせる結果となっている。