アイ・ティ・アール(ITR)は11月29日、「国内IT投資動向調査」の結果を発表した。今年は東日本大震災の影響で国内のIT投資の減速が懸念されたが、結果的には横ばい基調ではあるものの震災後もプラス成長という結果が見られた。2012年は、景気の減速懸念により低成長が見込まれるという。
プラス成長を維持した国内企業のIT投資
株式会社アイ・ティ・アールが国内企業を対象に2011年9月から10月にかけておこなった国内IT投資動向調査の結果が発表された。
本調査では、まず、企業のIT予算に関する2011年度(2011年4月~2012年3月)の実績と、来る2012年度(2012年4月~2013年3月)の見通しについて、アンケート調査をおこない国内企業553社から有効回答を得たという。以下その内容を紹介する。グラフに関するコメントは、ITRが28日に行った発表会での内容とシニア・アナリスト舘野真人氏のコメントにもとづく。

2011年度は全体としては、若干のプラス成長。2012年度に向けた予想では、IT予算の増額を見込む企業の割合が23.4%と下降する一方、減額を見込む企業も減少しており、総合的に見れば、2011年度と同じ横ばい状況か、やや上回る水準でのプラス成長となる。

このIT予算の増減傾向を指数化した「IT投資指数」で見ると、2011年度の実績値は2010年度に記録した0.04から若干上向き、0.60。1年前の予測は下回ったが、震災後の経済の混乱を考慮すれば、わずかとはいえプラス成長となったことは重要。しかし、2012年度に向けた予想では0.83と小幅な上昇にとどまっており、今後の国内企業のIT投資が低成長で推移することをうかがわせる結果となっている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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