Hadoopの商用ディストロ「MapR」がバージョン1.2に
ビッグデータ関連の話題を追っていると必ずお目にかかるのが"Hadoop"のお話。Apache Foundationの下、OSSで開発が続けられている並列分散処理システムで、ビッグデータとともに今年いちばんのITバズワードに挙げられるでしょう。
バズワードの運命よろしく、Hadoopもまた何でもかなえる魔法の杖的な扱われ方がされがちなのですが、大規模開発の手法が整っていない、プログラミングモデルのMapReduceが難しすぎて書ける人材が少ない、運用も大変……などなど多くの欠点を抱えていることもまたよく知られています。
そのため、Hadoopをもっと扱いやすくしたディストリビューションを作ろう! というコンセプトのもと、西海岸あたりではいくつかのスタートアップがエンジェルファンドや大企業から支援を受け、速くて使いやすいHadoopソリューションの開発に励んでいます。今回紹介するMapRもそのひとつ。
MapRは米サンノゼに本社を置くMapR Technologiesが開発するHadoopディストリビューションです。無償版のM3と有償版のM5が用意されています。EMCからサポートを受けており、EMCが提供するHadoopディストリビューション「GreenPlum」はMapRの技術をベースに開発されています。
12月6日(米国時間)、新バージョンである「MapR 1.2」がリリースされました。パフォーマンスの改善、JavaだけでなくC/C++やその他のスクリプト言語で書かれたアプリケーションへの高速アクセス、HBaseパッケージのアップデート、MapR仮想マシンの提供など、数多くの改善点が謳われています。
Hadoopへのアクセス方法を変えて高速BIを! 「Jaspersoft 4.5」がリリース
Hadoopはビジネス・インテリジェンス(BI)分野で今後さらに活用されることが期待されていますが、OSSベースのBIソフトウェアで知られているJasperSoftも最近、ビッグデータへの注力を表明しています。
12月7日(米国時間)にリリースされた新バージョン「Jaspersoft 4.5」では、Hadoopデータへのアクセス手段として、よく行われるHiveインタフェース経由ではなくHBaseレイヤを使ったアプローチで実現しているとのこと。そのため、データ分析の時間を大幅に低減することに成功しているそうです。同社はインメモリソリューションでも定評があり、モバイル&ビッグデータを掲げて、BIの世界でこれからさらに攻めていく姿勢のようです。
最後は軽い息抜きのネタを…
データベースソリューションを提供する米国のRedGate Softwareという会社が「宇宙へ送るデータベースアーキテクトをひとり選ぼう(VOTE A DBA TO SPACE)」というプロジェクトを実施中です。MySQL、PostgreSQL、Oracleなど各データベースを代表する15名がすでに選ばれており、この中から投票により晴れて1名が宇宙旅行の権利を得ることに。はたして宇宙に旅立てる人類最初のDBAはどのデータベース代表者なんでしょうか。結果は今月中に発表されるようです。