2.NEAR オプションの拡張
SQL Server 2008 R2 までのバージョンにも、インデックス内の二つの単語が近く存在する場合ことを抽出条件とするNEAR オプションは用意されていました。たとえば、次のようなクエリを実行すると、検索対象の中で「test」と「Space」が近接しているデータを抽出します。
これは、必ずしも連続していない二つの単語を検索条件にするときに、とても便利なオプションです。
SELECT * FROM table1 WHERE CONTAINS(*, 'test NEAR Space')
SQL Server 2012 ではさらに NEAR オプションの使い勝手がよくなっています。それでは、便利になった部分を順番に見ていきましょう。
まずは、二つの単語の間隔を制御できるようになりました。SQL Server 2008 R2 までは、NEAR オプションを使用して近接しているかどうかを判断するため基準は、二つの単語の間隔が 8 単語以内と決定されていてカスタマイズすることができませんでした。SQL Server 2012 からは、NEAR オプションで近接の判断基準をユーザが決定することができます。たとえば次のクエリを実行すると「test」と「Space」の間隔が5単語以内であれば、近接していると判断されます。
SELECT * FROM table1 WHERE CONTAINS(*, ‘NEAR((test, Space), 5))
また、クエリを次のように変更すると2単語以内の間隔を近接していると判断します。
SELECT * FROM table1 WHERE CONTAINS(*, ‘NEAR((test, Space), 2))
つづいて、もうひとつの機能拡張です。二つの単語の検索対象内での順序を条件に含めることができるようになりました。次のように指定すると、まず「test」という単語が検索対象内に存在し、そのあとで「Space」が検出されるようなデータのみを抽出します。
SELECT * FROM table1 WHERE CONTAINS(*, ‘NEAR((test, Space), 5),TRUE)
一方、次のようにクエリを修正すると二つの単語が検出される順序は無視され、「test」と「Space」が5単語以内に存在するデータが抽出対象になります。
SELECT * FROM table1 WHERE CONTAINS(*, ‘NEAR((test, Space), 5),FALSE)
次回の連載では、SQL Server 2012フルテキスト検索で強化された機能の紹介を続けます。
お楽しみに!