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これからのデータベース要件を考える

ビッグデータ時代にはアプリケーションにデータを取り込むのではなくデータ側にアプリケション処理を持っていく

今回は、前回の終盤で述べたソフトウェア開発基盤の課題を解決する方法として、開発プラットフォームを提供している各社がどのような取り組みをしているかを見ていきたいと思います。その話を始める前に、今回のテーマから若干外れますが、最近起こっている象徴的な出来事について述べます。

オープンシステムの組み合わせからベンダーによる垂直統合へ

 いまもっとも勢いのある会社はと問えば、IT業界ではなくてもほとんどの人がAppleを挙げるのではないでしょうか。Appleの成功については、さまざまな人々がさまざまな分析をしていますが、個人的にはしばらく優勢だったオープンシステムから垂直統合への揺り戻しを起こした、ここに最大のポイントがあるのではと思います。

 オープンシステムが進化して機能拡充を加速させる半面、全体の統一性、制御性を確保するのが困難になってきました。対して、一社がシステムの全てをコントロールできれば、統一性、制御性を確保でき、それがよりよいユーザーエクスペリエンスの提供につながるという流れがあります。このAppleによる大成功の例は、多かれ少なかれさまざまなIT関連企業になんらかの影響を与えているはずです。

 ソフトウェア開発基盤を提供している会社にとって、オープンシステムが抱える多様な問題を解決することは危急の課題でした。そこで2つの大手ベンダーが取った方法は、極めて似たものとなっています。2社とはOracleとIBMですが、Oracleはエンジニアド・システム、IBMはPureSystemsというソリューションをそれぞれ発表しています。

 この2つのソリューションの共通点は、自社のハードウェアにオープンシステムのソフトウェアスタックのなかからベンダーが選りすぐり(ベストオブブリード)のものを組み合わせて提供するところです。ユーザーは自身で取捨選択せずにすみ、組み合わせにまつわる余計な検証作業から解放されるメリットがあります。しかし、ソフトウェアの構成要素の中にはベンダーのものではないものもあり、ベストオブブリードで利用する際にオープンシステムがかかえる問題は内在したままになります。その結果、構成要素が変化するたびに、ベンダーが調整作業を続けていくことになります。大手ベンダーが、体力にものを言わせて中の暴れ馬を力でねじ伏せていく感じでしょうか。

 実際この手法がとれる企業は、ハードウェアからさまざまなレイヤーのソフトウェアスタックを継ぎ目なく提供できるベンダーに限られます。なので現状、この2社以外からは同様なソリューションは提供されていません。しかしながら、他ベンダーも自身のコントロールが及ぶ範囲で垂直統合のソリューションを目指すというのは、今後の業界全体として大きな流れとなるでしょう。

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インターシステムズのデータベースはファイルをベースにしたものではなく、 変数を永続化したもの

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この記事の著者

佐藤比呂志(サトウヒロシ)

大手SI、先進的IT企業にて、大規模開発プロジェクトに従事後、米国大手IT企業にてソフトウェア製品のローカライズを担当。1996年より仕様策定、共同開発などでCachéの日本語化に貢献。その後、日本でのCachéの販売、マーケティング、サポート等のコンサルタントを務める。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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