日本からのリクエストを反映、運用面の改善へ
小野氏によれば、今回のバージョンアップは、それほど大規模なものではないが、さまざまな面で進化しているという。
「SELECTの結果から重複を排除するDISTINCTの処理性能が40%向上するなど、細かい拡張が行われています。昨年くらいから、日本市場での要求、たとえば管理系、運用系の改良リクエストをアシストでも挙げてきたのですが、そういった要求が徐々に反映されています」(小野氏)
InfiniDBは、性能面では十分に他の製品と渡り合える。なので、今回のバージョンでは性能を伸ばす部分ではなく、むしろエンタープライズ向け用途に耐えうるような拡張が数多くなされた。結果として、運用面でかなり使いやすくなったのが、このバージョン3.5というわけだ。日本の市場で受け入れられるには、こういった運用面の改善を1つずつやっていくのは大事だと小野氏は語る。
大きな進化はないとはいえ、さまざまな拡張の中には目玉となるものもある。その1つがCPUリソースの割り当て機能だろう。従来のバージョンまでは、複数セッションからの同時のSQLリクエストに対しては、CPUのリソースは並列かつ均等に割り当てられていた。これが3.5からは、あらかじめルールを設定することでユーザーごとにSQLリクエストに優先順位を付けられるようになったのだ。これにより、経営層の検索リクエストは同時アクセスが重なっても優先しレスポンスを確保する、といったことが可能になった。
「この割り当ての機能を利用しても、負荷が低い状態で優先度の高いユーザーアクセスがなければ、優先度が低いユーザーも100%のリソースを使うことができます。なので、日常的に遅いと感じることはそれほどないはずです」(小野氏)
データウェアハウス用に流行のアプライアンス製品を入れたい。そういった案件などでは、顧客からリソース割り当てをしたいという要望がよく出る。その機能は欲しいが、機能が揃ったアプライアンスではちょっと高すぎるということも。できれば安価なInfiniDBでスモールスタートをしたい。そう考えた際に、このリソース割り当てができず要求がかなえられないなんてことはなくなる。