前回、前々回とモノづくりを取り巻く環境を見てきた。いずれもモノづくりのアイデアを生み出し、継続するモチベーションを醸成するものだが、実際に作るためにはどうしたら良いのだろうか?なにか作りたいものがイメージできたら、あとは具体的な形にすることになる。そのためには、実際に手を動かすしかない。しかし工作機械は個人で気軽に購入するには高く、スキル獲得にも時間がかかる。この問題を解消するために、モノづくりコミュニティの存在意義がある。今回は、全米に広がりつつあるTechShopの発祥の地である、Tech Shop Menlo Park を訪問した。ここはSquareの創業者がプロタイピングを行った場所としても知られている。その様子をレポートする。
「TechShop」とは何か?
「TechShop Menlo Park」の正面玄関
「TechShop」は、2006年にジム・ニュートン氏がシリコンバレーのほぼ中心に位置するメンロ・パークにオープンしている。モノづくりをしたいホビーユーザーを対象に、アイデアを形にして交流できるコミュニティスペースとして場が設計されている。
フロア中央のエリアはコミュニティスペースで、設計作業などができるデスクが配置されている。ここで簡単なミーティングも行われるようだ。その隣には、ミニキッチンや休憩用ソファーといったリラクセーションスペースがあった。プライバシー保護のためこのエリアは写真撮影が禁止されていて、雰囲気がお伝えできないのが残念だ。
標準的なデジタル工作ツール群
コミュニティスペースを廊下で取り囲むように各種工作室が配置されている。3Dプリンタやレーザーカッター、ペーパーカッターなどの標準的なデジタル工具は、当然備えられている。
レーザーカッターが2台備え付けられている。
Replicator2。奥に見えるのはMakerBot(Replicator2の前身)