SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

BIZ Press

インダストリアル・デザイナーが企業内イノベーターとして活躍するために、何が問われるのか?

IDイノベーション・連続セミナー(第2回)

 公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)が企画する「IDイノベーション・連続セミナー」の第二回目が、7月22日に開催された。2回目のセッションは「イノベーションをつくる」と題し、リ・パブリック共同代表で、東京大学i.school共同創設者エグゼクティブ・フェローの田村大氏が登壇。成熟企業の中で繰り返しイノベーションを起こすシリアル・イノベーターや、イノベーションにまつわるさまざまな課題や取り組み方についての講演、ダイアローグが展開された。その内容をレポートする。第1回目のレポートはこちら。

イノベーションとは、新しい人の行動や習慣を作り出すこと

 セッション冒頭、安西氏は1950年から現在までのイノベーションの歴史について概説。1990年代まではイノベーションはテクノロジーの進化であったが、90年代以降はテクノロジーから価値観へのシフトだと指摘する。技術革新以外の面において、どのようなものがイノベーションと呼べるのだろうか。

 登壇した田村氏は、日本により多くのイノベーターを輩出するための教育プログラムや環境づくり、リサーチプロジェクトなどを行っている人物だ。まず始めに、「イノベーションとは何か」という問いから始まった。

田村 大  
▲ 田村 大 氏(リ・パブリック共同代表 東京大学i.school共同創設者エグゼクティブ・フェロー)    

 2005年に、米国のデザインファームIDEOがBank of Americaと協働してローンチした「Keep the Change Saving Program」がある。同プログラムは、デビットカードを利用した際に、お釣りのセント部分を予め指定した貯蓄預金に回すという仕組みで、これによってユーザーの貯蓄額を増やすことができるようになっている。

“プログラム開発のため、IDEOはクレジットカードを作れない人たちに対するエスノグラフィー調査を行った。調査の結果、貯蓄ができない人は、お金を使う回数が多い、という事実が分かった。そこで、お金を使うときに自動的に貯める仕組みを作ることで貯蓄を増やし、貯蓄という習慣を作り出そうとした”

(田村氏)

Keep the Change Saving Program  
▲ IDEOがBank of Americaと協働してローンチした
「Keep the Change Saving Program」    
図版は、IDEOのホームページホームページより引用    

 この事例を踏まえながら、田村氏はイノベーションとは「人の行動、習慣、価値観に後戻りをしない変化をもたらすアイデアの普及」と定義した。アイデアから新しい行動や習慣、価値観を揺り動かすのではなく、新しい行動や習慣、価値観を考え、そこからアイデアに落としこむ。これによって、イノベーションの「打率」が上がるのだという。

“アイデアが人の行動や習慣を変えるかはわからない。先に新しい行動や習慣を想定できれば、共通のビジョンや未来が作りだすことができ、それにフィットしたアイデアを考えることができる”

(田村氏)

次のページ
企業内における“闇研究”の重要性

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
BIZ Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

江口 晋太朗(エグチ シンタロウ)

TOKYObeta。編集者。これからの未来のための情報設計や環境デザインを実践する編集者。スタートアップやテクノロジー、デザインやカルチャーの分野のコンセプトワークやメディアづくり、企画設計などで企業の事業支援を行う。Twitter@eshintaro

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5968 2014/08/07 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング