ディー・エヌ・エー(DeNA)の子会社であるDeNA AI Linkは、「AI社長」を提供するTHAと、エンタープライズ向けAIサービス「リーダーズAI」を共同で開発・提供することに向けた基本合意書を締結した。
多くの企業が生成AIの導入を進める一方で、現場での利用が進まない、あるいは出力される回答が「自社の文脈に合わない」「平準化された回答になりがちで実務利用に試行錯誤が必要」という課題が多いという。
真にAIが組織の生産性を高めるには、単なる情報検索や文章生成ではなく、「自社の戦略や文化背景を踏まえた判断」「自社ならではの視点」の提供が不可欠とのこと。特に大手企業では、企業理念・中長期戦略・組織文化といった全社レベルの指針と、事業・部門ごとの方針や戦略を踏まえたビジネスリーダーの思考・判断基準を組織全体で活用できる環境を整えることが、意思決定の質とスピードを高める鍵になると同社は述べている。
こうした背景のもと、THA有する経営者個人の思考・判断基準・企業らしさをAI化するコア技術と、DeNA AI Linkが有する大規模サービスの開発・運営力を融合させ、エンタープライズ向けにリーダーズAIを開発・提供することで基本合意に至ったとしている。
リーダーズAIは、経営層に加えて、企業内の事業リーダー、営業・企画・販売・開発などの各部門において企業を牽引しているリーダーの思考をAI化し、“理想のリーダー”を創り、育て、活用を深めていくAIサービスだという。リーダーのAIは、企業理念・IR情報・組織文化といった全社レベルの情報、部門ごとに蓄積された戦略やマニュアル、そしてリーダー本人への深いインタビューを通じて構築するとのことだ。

社員は、日常的に使っているビジネスチャットツールから、思いついたときにいつでもリーダーのAIに相談できるという。「この企画、進めていいだろうか」「お客様にこう提案したいけど、どうだろう」など、企画の立ち上げ時や、作業の途中で手が止まったとき、これまでは上司の時間を気にして相談を躊躇していた場面でも、気軽に問いかけることができるとのことだ。リーダーのAIは、企業の価値観やビジョン・ミッション、そのリーダーならではの視点に基づいて、具体的なアドバイスや判断の軸、思考を深めるための問いかけを返してくれるという。
サービスの開発・提供にあたっては、DeNA AI Linkが事業主体となりサービスの提供、運営、および開発を推進するとしている。THAはAI構築のコア技術(インタビュー、プロンプト、RAG技術)を提供するとのことだ。
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