シスコ(Cisco)は、マネージド サービス プロバイダー(MSP)がセキュリティ サービスを効率的かつ収益性の高い形で提供できるよう設計されたという、プラットフォームの進化を発表した。同社の統合型AI管理プラットフォームである「Security Cloud Control」に、マルチカスタマー管理の基盤となる機能が追加されるとのことだ。
このコンソールは、AIOpsとAgenticOpsを活用し、組織が包括的なセキュリティソリューションを一元管理できるようにするとしている。AI防御機能を備えたハイブリッドメッシュファイアウォールや、セキュリティサービスエッジ(SSE)である「Secure Access」が含まれるとのことだ。これらの機能をSecurity Cloud Controlに統合することで、運用を効率化し、ソリューションやサービスの断片化を克服し、運用コストを削減するとしている。
ハイブリッドメッシュファイアウォールとセキュリティクラウドコントロール
同社のハイブリッドメッシュファイアウォールは、高度な脅威をブロックし、AIモデルを含む脆弱性から保護し、データセンター、クラウド、エッジサイト全体でゼロトラストセグメンテーションを実現するように最適化された分散型セキュリティ ソリューションだという。ネットワーク IDとワークロードIDを使用してマイクロ境界を作成し、アプリケーションエッジとワークロード内でセグメンテーションとAIドリブンの脅威防御を適用するとのことだ。
この分散型セキュリティにより、ユーザーはファイアウォール、スマートスイッチ、eBPFを活用したワークロードエージェント、サードパーティ製ファイアウォールなど、あらゆる場所でポリシーを定義し、適用できるとしている。ポリシーは Security Cloud Controlによって一元管理され、テレメトリはSplunkと統合されるという。
Security Cloud Controlの主な機能
- 集中的な監視と管理:直感的なマネージャービューでは、管理対象のエンティティ、サブスクリプション、アクセス制御を単一の画面で操作できるため、管理オーバーヘッドが削減される
- 複数組織管理:安全対策と明確な権限構造を備えた、大規模な顧客オンボーディングと構成を合理化し、市場投入までの時間を短縮
- きめ細かなロールベースのアクセス制御(RBAC):管理対象の顧客の管理者アクセスを正確に制御し、エンジニアとサポートスタッフに必要な権限のみを付与することで、ガバナンスとコンプライアンスを強化
- 合理化されたMSPライセンスと管理:複数の顧客にわたるライセンスの割り当て、追跡、監査が簡素化され、マルチアーキテクチャのマネージド サービス エンタープライズ契約(MSEA)や消費ベースのマネージド サービス ライセンス契約(MSLA)などのモデルがサポートされ、収益性が向上へ
- プラットフォームAPI:標準化されたゲートウェイにより、一貫した開発者エクスペリエンスが提供され、顧客のオンボーディングとプロビジョニングが自動化され、価値実現までの時間を短縮
MSPの収益性と効率性の向上
MSP向けSecurity Cloud Controlは、ハイブリッドメッシュファイアウォールの導入を促進し、あらゆる環境にわたってより集中管理された保護を実現することで、MSPが以下を実現できるようにすると述べている。
- 市場投入までの時間の短縮:新規顧客をより早く獲得し、1つのプラットフォームから複数の製品サービスをバンドルすることで、受注率と拡張性を高める
- 運用コストの削減:コンソールを統合し、繰り返しタスクを自動化することで、手作業、エラー、運用オーバーヘッドを削減し、サービスコストを削減
- アップセルの簡素化:総合的なアプローチを活用して、高度に反復可能な動作で勝利と成長を実現し、提供内容の拡張と顧客生涯価値の向上を容易にする
一般提供の開始は2026年2月を予定しているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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