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「AIを労働力としたインフラ整備に着手を」シスコ本国幹部がネットワークなどの刷新を訴える

 2025年11月26日、シスコシステムズは、AIによる市場環境の変化と同社製品群に関する記者説明会を開催した。

 同説明会には、かつて日本法人の代表執行役員社長を務め、現在は米Cisco Systems(以下、シスコ)でグローバルスペシャリスト シニア バイスプレジデントを務めるデイヴ・ウェスト(Dave West)氏が登壇。来日にあわせて開かれた説明会では、AI時代におけるインフラの再定義と、同社が推進する包括的なポートフォリオ戦略について説明が行われた。

Cisco Systems グローバルスペシャリスト シニア バイスプレジデント デイヴ・ウェスト(Dave West)氏
Cisco Systems グローバルスペシャリスト シニア バイスプレジデント デイヴ・ウェスト(Dave West)氏

 ウェスト氏は冒頭、「企業規模や官民を問わず、現代の競争戦略においてテクノロジーは基盤そのものだ。『AI時代』の到来が叫ばれているが、現状はまだ氷山の一角に過ぎない」と切り出すと、将来的にAIが労働力として実社会に組み込まれることで、労働人口自体が数百億人規模にまで膨れ上がると予測。これほど膨大かつ複雑化するIT環境を支えるためには、従来のネットワーク構成では不十分であり、根本的な再構築が不可欠だと指摘する。このとき単に高速なネットワークがあればよいわけではなく、AIワークロードを支えるためのデータ処理能力、堅牢なセキュリティが必要であり、「ネットワーク、セキュリティ、データ、AI……これらを統合的に提供し、顧客の期待に応えられるのはシスコだけだ」とウェスト氏は自信を見せた。

 シスコが掲げる「AIインフラ」の再定義において、核となるのがハードウェアとソフトウェアを含めたフルスタックでの環境提供だ。特にウェスト氏は、NVIDIAやAMDといった半導体(GPUベンダー)との協業を強調した。NVIDIAとは、GPU間を高速接続する「NVLink」や「SuperNIC」の導入を進めており、これらをワンストップで提供するAIインフラ環境を「Cisco Secure AI Factory with NVIDIA」として提供している。2026年にはNVIDIA「Spectrum-X Ethernet」を搭載したスイッチ製品を投入する計画にも言及された。シスコ独自のASICである「Silicon One」と共存する形で展開され、AIワークロードに最適化された環境をより柔軟かつ容易に構築できるようになるという。加えて、ストレージ領域ではVAST DataやNetAppとのパートナーシップを強化。コンピュートからネットワーク、ストレージに至るまで、AIのためのインフラを包括的に支援する体制を整えている。

 また説明会では、ハイブリッドワークが定着して働く場所が分散する中、接続性と安全性を確保することの重要性についても言及された。ここで鍵を握るのが、昨年シスコが買収を完了したSplunkだ。ウェスト氏は、AI活用が進む環境下での「可視化(オブザーバビリティ)」と「レジリエンス(回復力)」の重要性を説く。Splunkの導入により、システム全体の状況をリアルタイムで把握し、異常検知やフォレンジック(原因究明)を迅速に行うことが可能になる。これはIT部門だけでなく、ビジネス部門におけるセキュリティ強化にも直結するメリットだという。「AIのガードレール機能に加え、SIEMやオブザーバビリティの中核としてSplunkを活用することで、セキュアなAI活用が実現する」とウェスト氏は述べる。

 今後シスコは、AI時代に即した製品を投入しつつ、AIと人間が協働する新たなカスタマーエクスペリエンスの創出、そしてグローバル規模でのエコシステム拡充を加速させる方針だとした。

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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