前哨戦となった東京都議会選挙も終了し、アベノミクスの評価を問う参議院選挙が間もなく公示される。この選挙で本格的な解禁となるのが、選挙におけるインターネットの利用だ。シマンテックがクロスマーケティングと共同で実施した「ネット選挙に関する意識調査」の結果からも選挙で投票する候補者を知るためにインターネットを利用するという人が、テレビ72.4%、新聞59%に次いで45.2%となり、街頭演説や候補者が配る資料などの直接の選挙活動35.7%を抜いて3位に入っている。有権者にとっても、インターネットは貴重な情報源であることは間違いなさそうだ。
ネット選挙解禁で懸念される「なりすまし」

ところでその貴重な情報源であるインターネット選挙で利用できるのはWebサイト、FacebookやTwitter、Lineなどのソーシャルメディア、制限はあるが電子メール、そしてネット広告となる。そこで、Webサイト、ソーシャルメディア、電子メールから情報を得る際に気になるのが、「なりすまし」だ。
「すべての議員は、なりすましの脅威にさらされています」
株式会社シマンテック SSL製品本部 SSLプロダクトマーケティング部 上席部長の安達徹也氏は、インターネット上では対面での確認ができないために、その情報が本当に本人が発信したものかの確認が難しいと指摘する。
Webページなどの情報は公開されているので、それをそっくりコピーしてなりすましのサイトで利用することは簡単にできる。そういった脅威の中でスタートを切ったのが、今回のネット選挙ということだ。なりすましが発生すると、「選挙期間という短い間に間違った情報に踊らされることになります」と安達氏。なりすましサイトに有権者を誘導し、本人と偽って極端に偏った政治的主張をするなど、議員や候補者の評判を貶めるといったことが、現実に起きかねない現状がある。
これを対策する方法の1つが、SSLサーバー証明書の利用だ。これには、暗号化による個人情報の不正取得などの防止と、Webサイトが本物であることを証明する「実在証明」の2つの機能がある。なりすまし対策に利用するのは、後者の機能だ。シマンテックでは、SSLの安全性をさらに高めたEV SSL(Extended Validation)というサービスがあり、今回、自由民主党、公明党の2つの政党がEV SSLをいち早く導入した。

この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア