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富士通研究所、準同型暗号の高速化技術を開発――暗号化されたままのデータ処理が可能に

  2013/08/29 13:30

 富士通研究所は、データを暗号化したまま統計計算や生体認証などを可能にする準同型暗号の高速化技術を世界で初めて開発したと発表した。この技術は、クラウド上のデータをプライバシー保護しつつ活用することにつながるとしている。

クラウドのデータ活用が普及するにともなってデータ保護が重要な問題となっているため、データを暗号化したまま演算処理が可能な暗号方式として、準同型暗号が注目されているという。

準同型暗号とは、データを暗号化したまま、加算や乗算などの演算が可能な暗号技術で、演算した結果も暗号化されているため、演算結果を知るには秘密鍵が必要となる方式だという。しかし、従来の準同型暗号はビット単位で暗号化を行うため処理時間が長く、実用化する上での問題があった。

今回開発された技術は、データのビット列の並び方を工夫して一括暗号化することで、統計計算などをする際に必要となるビット列の内積(ビットごとの乗算の和)計算を暗号化したまま一括して行うことを可能にしたものだという。これにより、従来に比べ処理性能を最大で約2千倍高速化できるとしている。

この技術により、クラウド上のデータのプライバシーを保護しつつ利活用することが可能になるという。たとえば、生体認証に適用することで、究極の個人情報である指紋や静脈データといった生体情報を、暗号化したまま安全に照合することが可能だという。

また、医療や生化学データといった機密情報のデータ分析など、これまでプライバシーが壁となっていた複数の企業にまたがった情報活用が促進されるとしている。

今回開発された技術により、復号されたデータの漏洩というリスクを回避する方策が開かれる可能性がある。

■ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/08/28.html

 

 

著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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